ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

中印が経済的理由から急接近。インド側の狙いは日本と中国が「競争」すること

 

 中国の習近平国家主席は2014年9月17日、インドを公式訪問し、モディ首相と会談した。インドと中国は歴史的に国境紛争を繰り返すなど緊張関係が続いてきたが、経済連携重視という立場から両国は急接近している。

indochina

 習氏は、公式な首脳会談に先立ち、モディ首相の誕生日を祝う夕食会にも参加、両国の親密ぶりをアピールした。
 両国は1960年代に紛争を起こしている(中印国境紛争)ほか、チベットの扱いをめぐって武力衝突となり3000人を超える死者を出したこともある。インドとパキスタンの争いでは中国は露骨にパキスタンを支援してきた。

 しらばくは、双方が自制した状態が続いていたが、一昨年にはインド軍の幹部が、中国の南シナ海進出について、必要であれば艦隊を派遣すると発言して物議を醸したこともある。

 だが、ここにきて両国が急速に距離を縮めているのは、経済的理由である。新興国経済の中心であったインドと中国は、このところ経済の伸び悩みに直面している。中国からの投資を望むインドと、インド市場への足がかりを得たい中国の思惑が一致した恰好だ。

 インドはしたたかな国といわれる。インドの現地メディアは、今回の中印会談における最大の目的は、日本と中国を競わせることにあると報道している。
 モディ首相は1日に日本を訪問し安倍首相と会談しているが、安倍氏は、モディ氏をわざわざ京都迎賓館に招き、非公式夕食会の開催や京都観光に同行するなど、異例のもてなしを行った。背景には中国に対する牽制があるといわれる。インドとしては日本と中国を競わせることで、より有利な条件で投資を引き出そうとしている。

 インド側は、ガンジス川の浄化プラントや移動体通信など高付加価値分野は日本に、鉄道や工業団地など低付加価値分野は中国に振り分けようとしているといわれる。

 このところ日本では政府のトップ外交で、製品やサービスの輸出を増やそうという試みが行われている。しかし、低付加価値な分野は中国や韓国といった新興国と確実に競合することになる。
 日本は本来、こうした新興国と競合する立場にいるべき存在ではない。新興国向けの投資で不利な条件にならないよう、日本はさらに産業の高付加価値化を進める必要があるだろう。

 - 政治, 経済 , , ,

  関連記事

no image
米大統領選挙、TV討論会が先ほど始まる

 米大統領選におけるもっとも重要なイベントの一つであるテレビ討論会が先ほど(日本 …

snowden
すべて米国に言われるがまま。スノーデン事件で明らかになった欧州の弱腰

 米国情報機関の監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏の処遇をめぐっ …

doller
米国の債務上限問題。1兆円コイン発行という奇策は財務省が否定

 新年に入りオバマ大統領と議会共和党の攻防が再び激しくなっている。昨年末、財政の …

Hillary Clinton
ヒラリー氏が次の大統領選に出馬?だが共和党はもっと大きな隠し球が・・・

 米国では、2016年の大統領選挙に向けた動きがすでに始まっている。今年2月に国 …

sangiinabe01
総額5.5兆円の補正予算が可決成立。だが昨年より規模が小さく、効果は限定的

 参議院は2014年2月6日、消費税増税をにらんだ経済対策を柱とする2013年度 …

itotaka
日本は再び財政出動路線に転換?著名学者が「構造改革」というキーワードに躊躇

 中国・上海で開催されていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2 …

tenanmon
中国の人権侵害の象徴「労働矯正施設」。廃止か改革かをめぐって国内で激論

 中国の人権侵害の象徴であった「労働矯正制度」の廃止をめぐって中国が揺れている。 …

abekaisan20141119
まるで民主党の政策?緊急経済対策は商品券など直接支援が中心

 安倍首相は2014年11月18日、消費増税の先送りと衆議院の解散を発表すると同 …

trybol
スイスで経営者の高額報酬を制限する国民投票を実施。立役者の主張とは?

 企業幹部が受け取る高額報酬の制限をめぐってスイスで国民投票が実施される見込みと …

ieren201409
FRBが年内の資産縮小開始を表明。米国の量的緩和策は完全終了フェーズへ

 FRB(連邦準備制度理事会)が市場の予想通り、再利上げと年内の資産圧縮開始を決 …