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家計の金融資産は過去最高。ただ、株式シフトはすでにピークを過ぎた可能性も

 

 日銀は2014年9月18日、2014年4~6月期の資金循環統計を発表した。6月末時点における家計の金融資産残高は前年同期比2.7%増の1645兆円となり、過去最高を記録した。株高によって保有する株式や投資信託の評価額が上昇したことが大きく影響した。

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 資金循環統計は、家計や企業、金融機関など部門間のマネーの流れを調べるもので、四半期ごとに発表されている。この統計を見れば、日本の中でお金の流れがどう変わったのか知ることができる。

 個人が保有している金融資産の総額1645兆円のうち、もっとも大きな割合を占めるのが現預金で874兆円となっている。現預金の額は前年同期比で1.6%増加した。一方、株式・出資金は150兆円で前年同期比5.9%増、投資信託は82兆円で14.5%増となっている。債券は逆にマイナス7%で29兆円となっている。

 この結果は、アベノミクスによる株高の影響で、リスク資産へのシフトが進んできたことを示している。ただし、この数値はあくまで前年同期比であり、直近との比較では少し様子が異なる。

 個人金融資産の総額は過去最高だった2013年12月末の数字をわずかに上回っているが、株式や投資信託の数字はこの時期と比較すると減少している。その一方で保険・年金準備金が増加しており、現預金の額はほとんど変わっていない。
 確かに株高の効果でリスク資産へのシフトが進んでいると解釈することはできるが、その動きはすでにピークを過ぎている可能性がある。

 また、企業によるマネーの溜め込みも顕著となっている。企業の現金・預金残高は229兆円と前年同期比で4.2%の増加となった。一方で、日本が保有する対外債権は大幅に伸びており、国内に有効な投資先がない状況が推察される。

 全体的に見れば、やはり資金をを貯め込む傾向が顕著であり、マネーの流れが大きく変わったという状況にはなっていない。

 - 経済

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