ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

NASAがスペースシャトルの後継に民間2社を選定。宇宙民営化が一気に進む

 

 NASA(米航空宇宙局)は2014年9月16日、国際宇宙ステーション(ISS)と地上を行き来する新しい有人宇宙船開発の委託先として、米ボーイング社と米スペースX社を選定したと発表した。これまで政府の独壇場だった宇宙開発事業が民間に委託されることで、宇宙の商用利用が一気に拡大する。

 nasamineika 米国は、2011年のスペースシャトル退役後は、有人宇宙船を持っておらず、国際宇宙ステーションへの人員や物資の輸送はすべてロシアに委託してきた。
 NASAが新しい宇宙船を開発しなかった最大の理由は予算不足である。アポロ計画の全盛期、NASAは連邦政府予算の4%を使っていたが、年々予算は削減され、現在では0.5%を切る水準にまで低下している。

 だが一方で、ITの急速な普及により、宇宙技術のコモディティ化が進んでいるという現実があり、米国ではすでに多数の民間宇宙開発会社が登場している。
 NASAはこうした事情を総合的に考慮し、スペースシャトルの退役後は、民間宇宙開発会社への外部委託を進め、NASA自身は、そのマネジメントや惑星探査などに特化する方針を掲げていた。

 国際宇宙ステーションに物資を輸送する無人ロケットの分野では、すでに民間企業への委託が始まっている。今回の決定は、有人宇宙船についても全面的に民間委託を開始するということを意味している。2社への発注金額は、ボーイング社が42億ドル、スペースX社が26億ドルとなっており、2017年の初飛行を目指す。

 宇宙開発は科学技術の頂点といわれ、国家が威信をかけて行うものであった。だが、技術のコモディティ化によって、その状況は大きく変わりつつある。
 それは宇宙開発を手がける国の顔ぶれにも反映されている。以前は宇宙開発を行うことができるのは、米国、旧ソ連、欧州、それに日本だけであった。だが最近 では、韓国、中国、インド、ベトナム、北朝鮮など途上国がこぞって宇宙開発に参入している。

 コモディティ化が進む産業分野でリーダーシップを維持するためには、自らがコモディティ化を主導するのがもっとも効果的である。米国は宇宙開発のコモディティ化の先陣を切ったことで、ITなどの分野と同様、今後もこの分野で圧倒的な競争力を保ち続けるだろう。

 - 経済, IT・科学 , ,

  関連記事

trumporder
トランプ大統領がとうとう日本の為替政策を批判。市場はショックもある意味では想定内

 トランプ米大統領がとうとう日本の為替政策について批判を展開した。これまでの発言 …

orbital
日本の宇宙開発は、中韓との消耗戦を強いられている電機業界と同じ運命を辿る?

 日本では新型固形燃料ロケット「イプシロン」の打ち上げ成功が話題となったばかりだ …

amazonhaiso
米アマゾンが個人に配送を依頼するアプリを開発中。数年後、社会は激変する?

 米アマゾンが、商品の配送について、運送会社ではなく一般の個人を活用する方式を検 …

zakabargukifu
フェイスブック、ザッカーバーグCEOの寄付は本当に寄付なのか?

 SNS最大手フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)と妻 …

aribabachugoku
粗悪品の出品をめぐり中国当局とアリババが対立。やはりチャイナ・リスクは存在

 中国の電子商取引最大手アリババ・グループは2015年1月29日、2014年10 …

nihondensan
シャープ元社長の片山氏が日本電産副会長へ。永守氏の後継者問題はどうなる?

 日本電産が、シャープの片山幹雄元社長を副会長執行役員として迎え入れる。日本電産 …

enpirestate
摩天楼の象徴エンパイアステートビルが上場。米国の不動産市場は絶好調

 ニューヨークの摩天楼を象徴といわれる超高層ビル「エンパイアステートビル」が10 …

nsa
米上院がNSAの情報活動を大幅に制限する米国自由法を可決

 米上院は2015年6月2日、NSA(国家安全保障局)による個人情報の収集を認め …

hamadak
安倍首相の経済ブレーンである浜田宏一氏が、金融政策の誤りを認めたという話の虚実

 アベノミクスの理論的支柱と言われ、内閣官房参与を務めている浜田宏一エール大学教 …

fukusima
原子力規制委員会が明らかにした再稼動審査の方針。事故防止の観点がまったく欠如

 原子力規制委員会が打ち出した、7月以降に開始する原発の再稼動審査の内容について …