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スコットランドの独立問題。果たして本当に国家分裂の危機だったのか?

 

 英国北部スコットランド独立の賛否を問う住民投票は、賛成が45%、反対が55%(9月19日午後時点)となり、独立は否決された。直前の世論調査では賛否が拮抗し、予測がつかない状況だった。だが、最終的には態度を決めかねていた層の多くが反対に回り、独立は回避される形となった。

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 スコットランドの独立問題は、近代国家のアイデンティティに対する問いかけであると解釈されており、実際にそのような面が多分にある。だが、英国という少々特異な成り立ちをしている国の出来事であることを考えると、単なる経済問題であり、自治権拡大の問題に過ぎなかったと考えることも可能だ。

 よく知られているように、英国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つからなる連合国であり、これらを総称してUK(United Kingdom)と呼んでいる。確かにUKという枠組みから見れば、スコットランドの独立は国家の分裂のように見える。

 だが広い意味での英国はもっと柔軟な枠組みである。スコットランド独立派は、UKからの離脱は望んではいるものの、独立後も引き続きエリザベス女王を国家元首にすると表明している。その点では共和国として独立したアイルランドとは状況が異なっている。また通貨についても、英ポンドを利用したいという意向を明らかにしている(英国政府はこれを否定)。

 英国は、かつてオーストラリア、インド、カナダなどからなる英連邦を形成する一方、現在のようにドルが基軸通貨になる前は、ポンドを世界に流通させており、英連邦加盟国を中心にスターリング圏と呼ばれる広範囲な通貨同盟を形成していた。

 現在の英連邦はかなり形骸化しており、かつてのようなスターリング圏は存在しない。だが歴史的文脈で語るとすれば、今回のスコットランドの独立は、単にUKからの離脱であり、英連邦にも、スターリング圏にも残留するという解釈が成立する。
 つまり現在の英連邦に属する国家群と比べれば、限りなく英国に近い立場であり、果たしてこれを、一般的な意味での独立と解釈してよいのかは議論が分かれるところであろう。

 スコットランドは圧倒的に労働党の支持基盤であり、独立支持派は労働党の政策に失望した層が多いといわれている。スコットランドは面積では全体の3分の1を占めているが、人口やGDPは8%程度しかない。今回の独立騒動の背景には、スコットランドの経済格差の問題があるが、これは従来型リベラル政党に対するノーでもある。

 この問題は、結局のところ、スコットランド独立派が当初掲げていた自治権拡大というテーマに収れんしてくるのかもしれない。その意味では、独立か残留かの二者択一を迫り、チキンレースを煽ったキャメロン首相の責任は重いかもしれない。

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