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米国がシリアで空爆を開始。とりあえず中東各国の協力を取り付けた形に

 

 米国防総省は2014年9月23日、米軍がイラクに続いて隣国のシリアでも空爆を開始したと発表した。イラクとシリアで勢力を広げるイスラム過激派組織「イスラム国」を弱体化させるのが狙い。
 オバマ政権は、今回のシリア空爆に対して消極的だったが、議会などからの圧力でやむなく空爆を決断した。オバマ政権は軍事介入にあたり、中東5カ国の支援を取り付けており、米国単独の介入という形は何とか回避した恰好だ。

syriakubaku201409 国防総省によると、米軍は爆撃機や巡航ミサイル「トマホーク」などを使って、イスラム国の軍事拠点を中心に空爆を行っているという。作戦には最新鋭ステルス戦闘機F-22も初めて実戦投入されている模様。ただ、同省では、空爆地点など詳細情報は明らかにしていない。

 これまで米軍はイラクにおけるイスラム国の拠点に対する空爆は行っていたが、シリア領内への空爆は初めて。
 シリアのアサド政権は、イスラム国と敵対しているが、一方で米国とも対立している。イスラム国に対する空爆は間接的にアサド政権を支援してしまうとの批判もある。シリア政府に対しては事前通告が行われたが、今のところシリア政府からの目立った動きはない。

 オバマ政権は、これまで世界の紛争には不介入とする方針を掲げており、シリア空爆に対して極めて消極的であった。だが、中東への積極的関与を望む声が、議会を中心に高まってきており、方針の転換が求められていた。
 オバマ大統領はこうした声に押し切られる形で10日、テレビ演説を行い、イラクだけでなくシリアに対しても空爆を実施する方針を明らかにしていた。

 米国単独での介入という形にしたくないオバマ大統領は、ケリー国務長官を中東に派遣、各国の協力が得られるよう外交交渉を続けていた。今回の空爆には、サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)の3カ国が参加し、バーレーンとカタールは作戦を支援している。とりあえず、中東各国の支援は取り付けた形だ。

 ただイスラム国の勢力を押さえるためには、本格的な介入を継続する必要があるともいわれている。オバマ大統領は23日、空爆は長期化するとの見通しを示しており、軍事介入がどの程度の期間続くのか、現時点では見極めが難しい状況にある。

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