ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

物価上昇の伸びは着実に鈍化。だが一方で国民はインフレを懸念

 

 総務省は2014年9月26日、8月の消費者物価指数を発表した。代表的な指数である「生鮮食料品を除く総合(コア指数)」は前年同月比3.1%の上昇となった。5月以降、物価上昇率は着実に鈍化してきている。日銀の物価目標達成はさらに困難な状況になりつつある。

bukkajoushou

 コア指数は、5月が3.4%、6月が3.3%、7月が3.3%であった。6月と7月で下げ止まるかと思われたが、8月はさらに伸び率が鈍化し3.1%にとどまった。日銀では消費税による物価上昇を2%程度と見ているので、消費税の影響を除いた物価上昇率は1.1%ということになる。

 最終的な物価目標の対象となるのは総合指数だが、コア指数とあまり変わらず8月が3.3%となっている。日銀が設定した物価目標の達成はかなり難しくなっている。

 物価目標の達成が難しくなっているからといって、日銀に対する追加緩和の圧力が高まるのかというと、必ずしもそうではないようだ。というのも、このところ急激に進行した円安で、輸入物価の上昇が懸念されているからだ。

 輸入物価が上昇すると、いずれは最終製品価格やサービス価格に跳ね返ってくる。このため、物価上昇率が鈍化しているにもかかわらず、市場の肌感覚としては、むしろインフレを懸念する声が大きいのが現実となっている。このような環境で、インフレを加速しかねない追加緩和に踏み切るのは、難しい判断となるだろう。

 もっとも市場が懸念しているのは、インフレというよりもスタグフレーションなのかもしれない。物価の上昇はそれほどではなくても、景気が回復せず、賃金の上昇が進まないことで生活実感が悪化することを懸念しているのである。
 実際、物価を考慮した実質賃金の伸びはマイナスになっているし、26日に発表された国税庁の2013年民間給与実態統計調査でも、給与総額は伸びているものの、低賃金である非正規労働者の増加が目立っている。庶民の生活実感が苦しくなっていることは容易に想像できる。

 日銀の黒田総裁は、このところ円安を容認するともとれる発言を繰り返しており、円安による物価上昇はあまり問題視していないようである。また日銀のホンネとしては、当然のことながら、追加緩和には踏み切りたくない。
 そうなってくると、まずは円安による物価上昇を最優先するというスタンスになる可能性が高いが、果たしてどうだろうか。

 - 経済 , ,

  関連記事

imf201410
IMFが世界経済見通しを発表。欧州が完全失速、日本は大幅引き下げ

 IMF(国際通貨基金)は2014年10月7日、世界経済見通しを発表した。201 …

amazondorone
民泊にドローン宅配。規制緩和は特区限定で、なぜか外資系企業ばかり

 政府は、国家戦略特区において小型無人機ドローンによる宅配を認める方針を固めた。 …

abeseichou03
安倍首相が成長戦略第3弾を発表。全体像が見えてきたが市場の失望を誘う内容

 安倍首相は6月5日、都内で講演し規制緩和を軸とした成長戦略の第3弾を発表した。 …

abe
安倍総裁が2%の物価目標を日銀に要請。その結果、経済はどうなる?

 自民党の安倍総裁は18日午後、党本部で日銀の白川総裁と会談し、物価目標を2%と …

koureishasigoto
働く高齢者が1割を突破。だが一方で働かなくてよい人との格差は縮小せず

 働く高齢者の割合いが就労者全体の1割に達したことが総務省の労働力調査で明らかに …

neet
ニートだけの会社が11月設立へ。批判の声は多いが、ガバナンス論に一石の可能性も

 メンバー全員がニートで、株主かつ取締役というまったく新しいコンセプトの会社が1 …

bukkajoushou
物価は何と7カ月連続のマイナス。一方、消費は物価にかかわらずやはりマイナス続き

 このところ物価が厳しい状況に追い込まれている。消費者物価指数が何と7カ月連続の …

sinnkansen
新幹線が大規模改修を前倒しで実施。ボロボロといわれる首都高は大丈夫なのか?

 東海旅客鉄道(JR東海)は29日、東海道新幹線の大規模改修を5年前倒しして開始 …

g20sydney2014
経済成長の数値目標が盛り込まれたG20。アベノミクスにも微妙な影響が出てくる可能性

 豪シドニーで開催されていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は2 …

google2014
グーグル、持ち株会社設立後初の四半期決算。自社株買いなど株主重視に転換?

 米グーグルの持ち株会社であるアルファベットは2015年10月22日、2015年 …