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女性登用目標値設定など、労働慣行に対する「上からの改革」が急ピッチで進行中

 

 日本の労働慣行に対する「上からの改革」が急ピッチで進められるようとしている。政府が2014年9月29日に開いた「政労使会議」では、首相自らが年功序列の賃金体系の見直しについて言及したほか、女性登用の数値目標設定に向けて政府内での調整も始まっている。社員の有給休暇消化を企業に義務付ける方策の検討も開始された。

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  昨年の政労使会議では、ベースアップの実施など、賃上げと雇用拡大に関する合意文書が作成され、その結果として、今年の春闘では賃上げが実施された。労使ともに機能不全を起こしている現状では、政労使会議の場が実質的な労使交渉の場となっている。

 こうした場で、首相がこれまでタブー視されてきた年功序列賃金の見直しに言及した意味は大きい。労働側は反対しているが、もし実現すれば、日本の戦後労働市場の大きな転換点となる。

 もうひとつ大きな転換点となりそうなのが、女性登用の数値目標である。厚生労働省の審議会は9月30日、女性登用に関する報告書を提出したが、ここでは財界の意向に考慮し、企業の自主的な取り組みを前提とした内容にとどまっていた。
 しかし政府内部では、数値目標を設定しないと女性登用は進まないとの声が大きく、数値目標設定に向けて調整が始まっている。ただ財界は反発しており、最終的な結果については不透明な状況だ。

 一般的に、市場メカニズムが健全に作用していれば、年功序列賃金は成立しなくなり、一方、女性の登用は進んでくる。女性登用についての議論は、かつて欧米で盛んに行われ、政治の分野においては、一定数の女性登用を義務付ける制度(クオーター制など)を導入している国もある。

 だが現実には、こうした強制的な制度の有無よりも、市場メカニズムが徹底しているかどうかの方が女性登用にとって影響が大きい。70年代の米国では、アファーマティブ・アクション(強制的な差別是正措置)が盛んに議論されたが、黒人や女性といったマイノリティの登用が一気に進んだのは、レーガン政権によって徹底的な市場原理主義が導入された80年代以降のことである。

 日本の場合、市場メカニズムの活用が事実上、拒否されている状況であり、その結果、上からの改革という形で、雇用改革が進められようとしている。現在の雇用数を維持しながら、年功序列賃金をあらため、かつ賃上げと女性登用、長時間残業の廃止を国家主導で実現するというのは、極めて難解なパズルである。どこかの項目にシワ寄せが出てくる可能性が高い。

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