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原油価格が世界経済停滞を懸念して一時90ドル割れ。日本への影響はマイナスが大きい?

 

 ニューヨークの原油先物価格が約1年5カ月ぶりに一時90ドルを割り込んだ。世界経済への成長不安が下落の主な要因。米国の金利上昇期待から、ドル高と米株高となっていたが、少し冷や水を浴びせる恰好となっている。

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 IMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事は2014年10月2日、ワシントンで講演し「世界経済は半年前に予想していたよりも弱い」との見解を示し、今後の成長が鈍化する可能性を示唆した。こうした動きを受けて、原油先物市場では売りが優勢となっており、2日の取引では一時節目となっている90ドル台を割り込んだ。

 このところ世界経済は米国一人勝ちの状態となっている。FRB(連邦準備制度理事会)は量的緩和策の終了を宣言しており、11月には資産購入を完全に停止する予定となっている。FRBのイエレン議長は明確に利上げに言及しているわけではないが、米国の市場関係者は利上げが近いと予想しており、これによってドル高が一気に進んでいる。

 また米国の株式市場も、企業業績が好調なことから、上昇が続いており、一時は1万7000ドルを突破していた。上昇相場が長く続いたことで、一旦調整に入るという見方も根強く残っていたが、良好な米国経済を前にこうした弱気な見方は排除されてきた。

 ただ、弱気の見通しを持つ一部の市場関係者は、米国の株式市場には調整が必要との見解を変えておらず、今回の世界経済に対する不安や原油安などを材料に一旦は株価が調整すると見ているようだ。彼等にとっては、今回の原油安はひとつの材料となるかもしれない。

 もっとも原油安といっても、2年~3年のタームでみれば、80ドルから110ドルのレンジで動いており、今回の安値もその範囲に収まっているとの見方がある。一方で、さらに長いスパンでみれば、2009年からの上昇トレンドを下回っており、調整が長引くとの見解もある。

 いずれにせよ、米国一国が世界経済を牽引するのは困難であり、当面、世界経済や市場は冴えない状況が続く可能性が高まってきた。
 日本にとっては、ただでさえ輸出が伸びない中、世界経済が減速すればさらに輸出にマイナスとなる。また、一時的であっても円高に戻ることになれば、さらに輸出に影響してくるだろう。一方で原油価格の下落は物価上昇圧力の緩和に寄与するので、一部の業界にとってはメリットが大きいかもしれないが、物価目標の実現は遠のくことになる。

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