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バーナンキ前FRB議長が銀行から住宅ローンの借り換えを拒絶されたことの解釈は?

 

 米FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ前議長が、住宅ローンの借り換えについて銀行から拒絶されたというエピソードを披露したのだが、これが市場関係者の間でちょっとした話題となっている。米国の不動産市場は過熱しているのか、まだまだ余裕がある状況なのか、意見が分かれているのだ。

bananki

 米メディアの報道によると、バーナンキ氏と彼の妻は、2004年にワシントン市内の自宅を83万9000ドルで購入したという。同氏は、その時に住宅ローンを組んでいたが、2009年と2011年には借り換えることができたものの、今回の申請は断られてしまったという。バーナンキ氏は講演でこの話をしたところ、聴衆は大いに笑ったという。

 バーナンキ氏はいうまでもなく、前FRB議長としてリーマンショック後の量的緩和策を進めてきた責任者である。量的緩和策は、国債などの金融商品を中央銀行が買い取り、インフレ期待を高めることによって、実質金利の低下や資産効果による消費拡大を意図した政策である。実際に中央銀行が資産を購入するので、名目上の金利も低下が進んできた。

 リーマンショック以後、バーナンキ氏が住宅ローンを借り換えたのは、より低金利で同じローンを組むことができるようになったからである。自身が敷いたレールなので当然といえば当然だが、合理的な選択ということになる。
 だが今回は、さらに金利が低下しているにもかかわらず、銀行から借り換えを断られてしまったという話である。この件についての市場関係者の見方は様々である。

 バーナンキ氏の在任中の報酬は20万ドル(約2000万円)程度だったが、退職後の講演では25万ドルを稼ぎ、来年には100万ドル以上の契約金で回顧録を出版することが決まっている。ただ、現在は定職と呼べる仕事には就いていないため、銀行の機械的な審査ではローンの借り換えが通らなかった可能性があるという。

 バーナンキ氏は、住宅ローンの審査が少し厳しすぎるのではないかという見解を持っているといわれる。リーマンショック後は、銀行の審査が軒並み厳しくなり、新規の住宅購入者に対するローンの審査がなかなか下りないといったケースは少なくない。
 一方で、安易にローンの提供を認めれば、リーマンショック前の不動産バブルの繰り返しになるとして、現在の慎重姿勢はむしろ望ましいという人もいる。

 米国の住宅価格は、そこそこ順調に伸びており、リーマンショック前の水準の半分まで回復している。過去10年のトレンド線を考えると、リーマンショック前のバブルが異常値であり、現在の水準はちょうどトレンド線に乗った状況にあると判断することもできる。
 一方、株式市場は、予想を超える回復を見せ、リーマンショック前の水準をとっくに超えている。その点からすると、住宅市場の回復は遅いということになるが、一方で株式市場には、高値警戒感が渦巻いているのも事実である。

 先週、米国の株式市場が急落したが、これが一時の調整にとどまるのか、長期の低迷になるのかについては見解が分かれている。株式市場との乖離が激しい不動産市場の動向が、今後の市場を占うひとつのカギとなるかもしれない。

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