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日中首脳会談に向けて調整始まる。一方ロシアは天然ガスで日本に秋波

 

 11月に北京で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)において、日中首脳会談が実現する可能性が高まってきた。ただ、会談の条件をめぐっては、日本側が譲歩を求められている報道があり、状況は依然として不透明である。またロシアも日本に対する歩み寄りの姿勢を強めており、周辺国の情勢が大きく動き始めている。

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 外務省の伊原純一アジア大洋州局長は2014年10月11日、中国を訪問し、中国外交部(外務省)の幹部と会談した。11月に北京で開催されるAPECで日中首脳会談が実現できるよう、尖閣諸島問題や安倍首相の靖国神社参拝などの懸案事項について議論したとみられる。

 ただ中国側は日本側が譲歩しない形で対話のテーブルにつくことを拒否しているといわれ、何らかの譲歩を求めているとされる。一部報道によると、日本は尖閣諸島について固有の領土であるという主張は譲らないものの、中国が独自の主張をしていることは認める、といったところを妥協点にする案が浮上しているという。

 一方、ロシアは日本に対して、サハリンと北海道をつなぐ天然ガスパイプラインの建設を日本側に提案している。安倍政権はロシアとの対話を進めており、この秋にプーチン大統領が来日するという方向性で調整が進められてきた。
 だがウクライナ問題の発生で、欧米各国によるロシア制裁の流れが固まる中、日本だけが友好路線を示すことが難しくなってきた。結局、日本も制裁に加わる形となり、日ロ首脳会談は延期された。

 ロシアの経済は脆弱であり、天然ガスを他国に売らなければ外貨を獲得できない。しかも天然ガス価格は、米国のシェールガス開発によって下落しており、ロシアは何としても日本に天然ガスを売り込みたい。パイプライン敷設の提案は、ロシアの苦しい懐事情を反映しているといってよいだろう。

 中国も本音では日中首脳会談の開催を望んでいる可能性が高いが、現状では日本側が歩み寄る形となっている。その日本に対してはロシアが歩み寄っている。一方、日本最大の同盟国である米国とは一定の隙間ができたままの状態である。

 これまでは、望むと望まざるとに関わらず、中国との敵対関係を軸に外交が進んできた。だが、中国との対話が見え始めた今、日本の外交方針については、再度交通整理が必要だろう。今回の情勢変化は、安倍政権にとって、外交の基本方針が問われる、ある意味では初めての事態となっている。

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