ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

小渕経産大臣が辞任。脳裏をよぎる第1次安倍内閣の閣僚辞任ドミノ

 

 小渕経済産業大臣は2014年10月20日、自身の政治団体の収支が食い違っている問題の責任を取って経済産業大臣を辞任した。小渕氏は、今回の内閣改造の目玉となった大臣であり、新内閣発足直後の辞任ということになると影響は大きい。一部からは、閣僚の辞任ドミノで退陣に追い込まれた第1次安倍内閣のイメージと重なってしまうとの声も出ている。

obuchiyuko

 小渕氏は「小渕優子後援会」など2つの政治団体を運営しているが、問題となっているのは、政治団体が開催した「観劇会」の収支。小渕氏の政治団体は、毎年、東京の明治座を貸し切り、支援者らと観劇会を開催している。そこでは大物の演歌歌手などが出演しているという。

 政治家が支援者らとイベントを開催することはまったくの合法だが、問題はその収支である。2010年と2011年に観劇会の開催費用を記載しているが、支援者から徴収した会費として記載した金額の方が少なくなっている。
 もし十分な額の会費を取っていないということになると、小渕氏が支援者を接待したということになり、公職選挙法が禁じる「寄付行為」に該当する可能性が出てくる。また費用と同額の会費を徴収していたのだとすると、今度は小渕氏がこれを着服したことになってしまう。

 小渕氏クラスの政治家であれば、こうした規模の大きいイベントが開催されていること自体は何の不思議もないが、収支について明確に説明できないとなると、少なくとも政治的責任は発生する。とりあえず辞表を提出することで、その責任を果たした恰好である。

 安倍政権としては、早期に事態収拾を図りたいところだが、状況はあまりよくない。景気が失速しつつある中、12月には消費税10%増税の決断を迫られている。また小渕氏は、安倍内閣が掲げる女性活用の目玉となった大臣であるとともに、原発再稼働の責任も負っていた。今回の内閣改造を長期政権への布石としたかった安倍氏としては、目算が狂ってしまった状況といえる。

 永田町では、閣僚の相次ぐ辞任で退陣に追い込まれた第1次安倍内閣の悪夢がよみがえると噂する人もいる。第1次安倍内閣では、松岡利勝農水相(事務所の光熱費問題などが浮上し自殺)、久間章生防衛相(原爆投下容認発言)、赤城徳彦農水相(事務所経費問題に加え、顔に巨大な絆創膏をして登庁)など閣僚が連続して辞任する事態となり、その結果、政権は瓦解してしまった。

 安倍政権としては、前回のような辞任ドミノにならないよう、小渕氏辞任のダメージを最小限に食い止める必要がある。少なくとも、今回の内閣改造を長期政権の布石にするという従来の戦略は見直しが必至となるだろう。場合によっては,消費税増税のタイミングや、来年春ともいわれる衆議院の解散総選挙の時期などにも影響を与えそうだ。

 - 政治 , ,

  関連記事

abe
安倍総裁が金融政策に関する発言を全面撤回。無邪気な政治家が空けたパンドラの箱

 自民党は21日、次期衆院選の政権公約を正式発表した。この席で安倍総裁は、自身の …

sangyokyosoryokukaigi
政府の新成長戦略で飛び出した小中プログラミング教育の「今更感」

 安倍政権は、名目GDP(国内総生産)600兆円の目標を達成するため「第4次産業 …

gun
米国で思いのほか銃規制が進まないのは、実は米国が安全な国になっているから

 米国コネティカット州で起きた銃乱射事件に関してオバマ米大統領は16日、再発防止 …

pfi
PFIが成長戦略の中核として急浮上。だがその実態はハコモノ行政の維持

 政府の成長戦略における中核的プランとして、民間資金を活用したインフラ整備(PF …

carter
米次期国防長官は、実務官僚で経験豊富なカーター氏に落ち着く?

 辞任が決まっているヘーゲル米国防長官の後任に、前国防副長官のアシュトン・カータ …

mistral
すぐにでも強襲揚陸艦の引き渡しを実施したいフランスとロシアのホンネ

 フランス政府は2014年9月3日、ロシアに提供される予定であったミストラル級強 …

siozakinenkin201410
なかなか出てこない年金運用改革案。すでにタイミングを逸したとの声も

 公的年金の運用方針見直しが大幅に遅れている。当初は9月にも新しい方針を打ち出す …

shukinpeihouei2015
習近平国家主席の訪英。とうとう英国原発の中国丸投げについて最終合意

 英国を訪問中の中国の習近平国家主席と英国のキャメロン首相は2015年10月21 …

no image
日米共同の離島奪還訓練が中止に。米国側も訓練に及び腰だった

 政府は、11月に行われる自衛隊と在日米軍による共同演習において、実施予定であっ …

leekanyunamida
シンガポール「建国の父」リー・クアンユー死去。独立当初は、絶望感で涙を流した?

 シンガポール建国の父と呼ばれるリー・クアンユー元首相が2015年月23日、同国 …