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医療設備が劣悪なナイジェリアでエボラ熱感染拡大を防げたのはなぜ?

 

 各国でエボラ出血熱に対する恐怖が高まる中、十分な医療設備がないにも関わらず感染拡大を食い止めたナイジェリアの対応が注目を集めている。各国のエボラ熱対策の参考になりそうだ。

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 WHO(世界保健機構)によると、ナイジェリアでは2カ所で感染が広がったが、最長潜伏期間の2倍に当たる42日間が過ぎても新規感染者が出なかったため、感染が収束した可能性が高いとしている。

 エボラ出血熱はその感染力の高さから、十分な装備があっても、2次感染を100%防ぐことができない状態にある。スペインでは、リベリアで宣教活動中にエボラ出血熱に感染し、帰国後、治療を受けていたカトリック神父ミゲル・パハレス氏が死亡しているが、神父の看護にあたっていた看護師がやはりエボラ出血熱に感染している。
 また米国では、テキサス州ダラスの病院でエボラ出血熱に感染したリベリア人男性の治療に携わっていた看護師が、やはりエボラ出血熱に感染しているのが確認されている。

 スペインや米国は医療設備が整っており、基本的に看護師は防護服で看護にあたっている。だが、服の着脱の際にどうしても直接ウイルスに触れるリスクがあり、完全に防御できなかったと考えられる(一部からは対応の不備を指摘する声も上がっている)。

 こうした個別対策的な部分において100%感染防ぐことは難しいと考えられるが、発生した2次感染を地域全体に波及させないことが社会全体としてはもっとも重要な課題となってくる。その点で、十分な設備がないにも関わらず感染拡大を阻止したナイジェリアのケースが注目されているのだ。

 ナイジェリアでは、国内の患者全員について感染経路をたどることに成功し、最初の感染源が、リベリアから入国してウイルスを持ち込んだ男性であることを突き止めた。病院側は男性と押し問答になったが外出を許可せず、これが感染拡大を防ぐうえで大いに役立ったという。その後、ナイジェリアでは接触があった約900人をすべてモニターし、経過観察を行って感染が拡大していないことを確認した。

 米国では感染した看護師が飛行機に乗ってしまうという事態が発生しており、経過観察のあり方が問題視されている。ナイジェリアは人口が密集した途上国であり、感染リスクが非常に高い。一方で、先進国より強権的な措置が取りやすく、感染経路を特定する作業は容易だったという側面がある。

  ただ、ナイジェリアのような衛生設備が不十分な国で感染拡大を阻止できたという意味は大きく、今後の対策立案における参考事例となりそうだ。

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