ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米キャタピラーの決算を見る限り、世界経済減速の米国への影響は限定的

 

 米建設機械大手のキャタピラーは2014年10月23日、2014年7~9月期の決算を発表した。全世界に建設機械を販売している同社の決算は、世界経済の状況を色濃く反映することから、多くの市場関係者が注目している。今回の決算では、世界経済が米国に一極集中している状況があたらめて確認された形となった。

caterpilar

 売上高は135億4900万ドル(約1兆4600億円)で前年同期比1%のプラスとなった。純利益は前年同期比7%増の10億1700万ドル(約1098億円)であった。北米での売上げが好調だったことから、売上高、利益とも拡大したが、欧州やアジアは売上げが減少している。

 北米で特に好調だったのは、エネルギー・輸送関係で前年同期比で33%の増加となった。好調な経済を背景に輸送インフラの整備が進んでいることが分かる。一般的な建設機器も9%の増加となっており、全分野にわたって建設需要が存在しているようだ。少なくとも同社の決算を見る限りでは、米国経済は好調と考えられる。

 これと正反対だったのがラテンアメリカで下落幅は19%に達している。世界経済の減速懸念から、鉱山開発のペースが鈍化しており、同地域での売上げ減少につながった。ラテンアメリカにおける鉱山関係の売上げは31%ものマイナスである。建設需要が引き続き低迷している中国の影響から、アジア地域の売上げも7%の減少となっている。

 同社では北米における需要は引き続き堅調とみており、通期での利益予想を引き上げている。欧州や他の地域のマイナスを北米がカバーする図式である。
 このところ、欧州や中国の景気失速が顕著になってきており、米国経済にそれが波及するのではないかとの懸念が出てきている。だが同社の経営状況を見る限りでは、他の地域の不振が米国に及ぼす影響はそれほど大きくないと考えられる。

 ちなみにIMF(国際通貨基金)は2014年10月7日、世界経済見通しを発表した。2014年のGDP成長率については、前回見通しより0.1ポイント引き下げ、プラス3.3%とした。ユーロ圏は前回見通しから0.3ポイント引き下げられ、プラス0.8%であった。一方、米国は逆に見通しが引き上げられており、0.5ポイント増加のプラス2.2%となっている。

 - 経済

  関連記事

nucleayankey
コスト高から原発撤退が相次ぐ米国。簡単に原発からの撤退を決められるのはナゼ?

 米国で原子力発電からの撤退が相次いでいる。理由は安全性への懸念ではなくコスト。 …

bukkajoushou
デフレ脱却が鮮明になってきた7月の消費者物価指数。だが内実は輸入インフレ?

 総務省は8月30日、7月の全国の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「 …

nougyouyushutu
日本の農作物輸出が過去最大。だが全体から見れば輸出はごくわずかという現実

 日本の農作物の輸出が徐々に増加している。農林水産省の調査によると、2013年に …

asukuru
アスクルの火災。経営への影響は限定的だが,今後のサービス競争では不利に

 火災が続いていたアスクルの物流倉庫がようやく鎮火した。現時点において、事故の原 …

mama
子供がいると女性は不幸?内閣府の調査結果は日本社会の現状をよく表している

 内閣府経済社会総合研究所は、幸福度が子供の存在によってどのような影響を受けてい …

no image
港区から外国人ビジネスマンの姿が消え、公務員が激増中

 東京都港区の高級オフィス街の風景が激変している。 これまで外資系企業などの入居 …

manshon
銀行が住宅ローン金利を引き下げ。融資先が見つからない銀行の苦しい台所事情

 9月に入って金融機関による住宅ローンの引き下げが相次いでいる。三菱東京UFJ銀 …

bankofhina
中国当局が国営放送を使って中国銀行の海外送金サービスを糾弾している背景

 中国の国営放送局である中国中央テレビ(CCTV)が、中国有数の銀行である中国銀 …

chinajojohaisi
中国で中央政府直系の国有企業初が初の上場廃止

 中国の上海証券取引所に上場していた中国の国有企業「中国長江航運集団南京油運」が …

kousokumuryouka
GDP改定値は政府の目論見通り大幅上方修正。消費税増税はほぼ確実か?

 内閣府は2013年9月9日、4~6月期GDP(国内総生産)の改定値を発表した。 …