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中国の新しいリーダー習近平氏は何者なのか?謎に満ちたその人物像に迫る

 

 中国共産党の新しい指導者となる習近平氏はどのような政治家なのか?中国の指導者は公衆の面前ではあまり個性を出さないことで知られているが、習氏は特にその人物像がナゾとされている人物。習氏の過去の経歴を追った。

 中国の政界には現在、大きな派閥が二つある。ひとつは太子党と呼ばれる共産党幹部の2世グループ。もうひとつは中国共産主義青年団(共青団)から選抜された学歴エリートのグループ。胡錦濤氏は学歴エリート・グループのトップだ。これに対して、太子党を率いるのが習近平氏である。

 習近平氏の父親は、元国家副主席の習仲勲氏。習仲勲氏は中国共産党創設メンバーの中では比較的リベラルな思想の持ち主であった。共産党のリーダーであった毛沢東氏は徹底した革命主義者であったが、革命が成功し中国政府が軌道に乗り始めると、現実主義的、リベラル的な立場の政治家が力を持つようになってきた。
 これに対して毛沢東氏を中心とする保守派がしかけた権力闘争が「文化大革命」である。

 文化大革命は凄惨を極めた。毛沢東氏から特に敵視された劉少奇国家主席が、紅衛兵と呼ばれる毛沢東の意向を受けた青年集団に連日拷問されたうえ、病院での治療も禁止されそのまま衰弱死するという悲惨な事件も起こっている。
 中国全土で200万人以上の人が反革命的という理由(ほとんどが洋服が派手といったような理由)で処刑されたといわれており、中国では文化大革命の話題は今でもタブーである(わずか40年前の出来事である)。

 リベラル派であった習仲勲氏も保守派から攻撃され文化大革命前後に合計16年間も身柄を拘束された。息子の習近平氏はそのとばっちりをうけて、しばらく「下放」(地方の農村に懲罰的に追いやること)されている。
 文化大革命時代に下放されていた高級幹部の子弟の多くは、政治をあきらめて経済活動に将来を見出し、国営企業などに入ったものも多かった。彼らはのちに改革開放路線を強く主張するようになる。だが習近平氏はじっと耐え、地方党組織の書記としてキャリアをスタートさせている。
 もちろん高級幹部の子弟である習氏のこと、下放が解けた後は国務院副総理の秘書にいきなり抜擢され、その後は順調に党内で出世している。

 習氏は特に確固たる主義主張はなく、人の話をよく聞き、状況に応じて適切な政治スタンスを取るといわれる。確かに、時折強硬な政治姿勢をハッキリと見せる胡錦濤氏や、穏健派といわれる温家宝氏と異なり、一貫した態度はあまり見出せない。

 おそらく、習氏は周囲の状況をうまく汲み取った形でリーダーシップを発揮していくと思われる。その意味で現在、中国における主要な政治課題となっている、貧富の差の縮小、経済成長の維持、日本敵視、チベット弾圧という方向性は当面そのまま維持される可能性が高い。

 習氏は私生活も地味といわれているが、離婚後、中国No1の歌姫と呼ばれた歌手の彭麗媛と再婚しており、必ずしもそうとはいえない部分がある。また習氏の子弟は皆米国など海外に留学し外国籍を保有している。これは権力闘争による失脚を危惧しているか、習氏自身が中国を信用していないことの表れであり、習氏の現実主義的な一面をのぞかせている。

 - 政治

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