ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

消費低迷で高まる増税先送り論。だが現実には決断は困難?

 

 消費の低迷が顕著になってきたことから、消費税の10%増税に反対する声が高まってきている。だが、増税先送りは日本の財政に与える影響が極めて大きく、簡単に踏み切れるものではない。閣僚のダブル辞任で揺れる安倍政権は難しい選択を迫られそうだ。

abe20141021b

 日本経済新聞が実施した最新の世論調査では、消費税の10%への増税について70%が反対と回答しており、過去最高水準となった。与党内の一部からも、消費増税は先送りすべきとの声が出てきている。

 ただ増税先送りには課題も多い。もっとも影響が懸念されるのは財政である。
 日本政府は2020年までに基礎的財政収支を黒字にするという公約を掲げている。消費税を10%に増税してもその達成はかなり難しいといわれているが、増税を先送り、もしくは凍結してしまうと、その達成はほぼ不可能となる。

 最終的に財政を好転させる要因となるのは景気動向であり、景気が順調に回復すれば税収は増加し、財政も好転する。だが現状の日本経済では、消費税の増税を先送りしても、持続的な経済成長が実現できる保証はまったくない。増税先送りで財政問題が顕在化するくらいなら、増税を実施した方がまだマシというのが、増税派の見解である。

  税は中長期的に見れば景気に対して大きな影響を与えないはずである。増税で政府が得た所得は、最終的には政府支出という形で消費されるからだ。個人レベルで考えても、それは同じである。増税前に駆け込みでモノを購入しても、生活必需品は今後も買い続ける必要がある。増税前に駆け込みで購入することのメリットはそれほど大きくない。

 この理屈からすると、8%への増税でここまで消費が低迷するはずがないということになるが、現実は異なる。日本の家計はかなり弱体化しており、増税前のわずかなメリットを求めてあれだけの駆け込み需要が発生し、その反動で消費が低迷している。やはり日本の経済構造そのものに大きな問題があると考えた方がよさそうだ。

 日本の財政が問題視されたからといって、日本の国債が紙くずになる可能性は極めて低い。だが、財政に対する不信任から国債に対する売り圧力が高まり、金利が数%に上昇しただけでも、日本政府の利払いは税収を上回り、予算が組めなくなる可能性がある。国債が暴落するかどうかといった極論が戦わされてるが、問題の本質はそこではないのだ。

 財政リスクを最優先して増税をスケジュール通り実施するのか、増税先送りで目先の景気を取るのか、それとも痛みを伴う改革を実施するのか、進むも地獄、退くも地獄という状況となりつつある。

 - 政治, 経済 ,

  関連記事

dellmicrosoft
デルに出資?タブレット台頭を前に、マイクロソフトは重大な岐路に立たされている

 米マイクロソフトが大手パソコン・メーカーの米デルに10億~30億ドル(約900 …

trumpkakuhoyu
トランプ候補が党大会を期に現実路線に一気に転換。本選挙では有利な展開に?

 米共和党大会でドナルド・トランプ氏が正式が大統領候補に指名されたことを受け、同 …

touchou
フランスで政府要人の盗聴対策が効果を上げていない本当の理由とは?

 フランスで閣僚など政府要人のセキュリティ対策が効果を上げていないことが問題視さ …

virginatlantic
シティバンクに続いてヴァージン航空も日本撤退。その背景にあるもの

 英国のヴァージンアトランティック航空は2014年9月3日、成田-ロンドン線につ …

kigyoshakai
政府が働き方改革に本腰。だが皆があえて無視し続けるひとつの大きな問題

 政府が「働き方改革」に本腰を入れ始めている。日本企業の生産性が低いという事実は …

titan
もはや紅白歌合戦?戦争の遺物となった研究所同士が争うスパコン計算速度

 世界のスーパーコンピューター性能ランキングが発表され、前回2位だった理化学研究 …

usakoyoutoukei201501
日本の製造業に朗報。米雇用統計は絶好調で6月利上げはオンスケジュールか?

 米労働省は2015年2月6日、1月の雇用統計を発表した。雇用者数の増加は市場予 …

asakusa02
訪日外国人観光客は海外旅行に出かける日本人の1.3倍も消費している

 政府は2015年6月5日、観光立国推進閣僚会議を開催し、訪日外国人を2000万 …

3946377
最近注目を集める金本位制復活論。だが日本人にこれを導入する覚悟があるとは思えない

  米国大統領選挙が終了しオバマ大統領が再選されたことで、当面現状の金融政策が維 …

linejojo
LINEがいよいよ上場へ。ただし、ベストなタイミングは逸してしまった

 対話アプリのLINEが7月にも東京証券取引所に上場する。親会社である韓国ネイバ …