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与党内から年内解散論が浮上。野党に対する牽制か、今度は本気か?

 

 与党内部で年内解散論が囁かれている。背景には女性閣僚のダブル辞任による支持率の低下や消費増税の問題がある。ただ、解散論そのものは、以前からくすぶっており、今国会冒頭での解散説もあった。今後政治的にはよい材料がなく、なるだけ早期に解散した方が政権としてマイナスが少ないというのは事実である。

 abe20141030 安倍政権は今回の内閣改造を長期政権の布石とする戦略だったが、女性閣僚のダブル辞任でその見通しが狂ってしまった。目下最大の課題は消費税の増税をどう乗り切るかである。消費税を10%に増税するかどうかは、7~9月期のGDPで判断することになっている。

 今年4月の消費増税で消費は確実に低迷しており、再度増税に踏み切れば景気がさらに悪化するのは確実である。一方、10%への増税はすでに法律で決めてあることや、2020年までに基礎的財政収支を黒字化するという国際公約もあり、見送りを決めるのはそう容易ではない。このような状況で12月には増税を決断しなければならない。

 来年の政治日程を見ると状況はさらに悪い。春には統一地方選挙があり、9月には自民党の総裁選がある。増税の決定や景気のさらなる悪化といった状況を抱えたまま、統一地方選で負けるような事態となれば、総裁選にも影響が出てくる可能性がある。さらにこれを乗り切ったとしても、その次の年には参院選があり、年2回の国政選挙という重い負担に耐えなければならない。

 こうした事情から、早期解散論した方が有利という議論は以前から存在しており、野党側も常にこれを警戒してきた。安倍首相は年内解散はないと発言しているが、自民党の谷垣幹事長は、党内でそのような話が出ていること自体は認めている。
 ちなみに、7~9月期GDPの速報値は11月17日に発表になる。確定値の発表は12月8日である。だがその前に確定値の数字の材料となる法人企業統計の発表が12月1日にある。もし解散があるのだとすると、その日程はこれらGDPの発表スケジュールと大きく関係してくるだろう。

 安倍政権としては、こうした解散論が出ることで野党側を牽制することが可能となるので、必ずしも本気で解散を考えているとは限らない。ただ、政治日程の状況を考えれば、いつ解散を決断してもおかしくない状況であることは事実である。

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