ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

世界男女平等ランキング。これまで下位をうろついていたフランスが順位を上げた理由

 

 ダボス会議で知られる世界経済フォーラムは2014年10月28日、世界男女平等ランキングを発表した。日本は142カ国中104位と、例年通り、著しく低いランキングとなっている。この調査には批判も多いが、全世界的な傾向を把握するには最適という見解もある。女性活用は安倍政権の目玉政策のひとつだが、この結果を見ると実現には課題も多そうだ。一方で、成果を上げるためのヒントもある。

 gendergap2014 世界男女平等ランキングは、経済、教育、政治、健康といった各領域で女性の地位について数値化したもの。この調査における日本の順位は毎年、極めて低く、日本の近辺には、女性の地位が非常に低いことで知られる韓国や、人権抑圧国家などがランキングされている。当然のことながら日本のランキングは先進国の中で突出して低い。

 1位はアイスランド、2位はフィンランド、3位はノルウェー、4位はスェーデン、5位はデンマークとなっており、例年、北欧ゲルマン圏がトップ・グループの常連となっている。また主要先進国では、ドイツが12位、フランスが16位、米国が20位、英国が26位、イタリアが69位となっている。

 この結果で注目すべきなのは順位が驚異的に上昇したフランスである。なぜか日本では、フランスは女性の地位が高いというイメージがあるが、実際には欧州先進国の中でもフランスは女性差別が激しい国として知られている。一般的にカトリック圏は、プロテスタント圏より男女平等が進まないという傾向があるが、フランスもその例外ではない。

 フランスのメディアでは、日本を引き合いに出して「フランスの女性の地位の低さは日本並み」といった表現がよく見られる。つまり、女性の立場が高くないことを、自身もよく理解していたということである。2012年のランキングではフランスは57位だったので、今回の結果はまさに躍進である。

 フランスの順位が急上昇した理由は簡単である。政界の女性登用を増やしたことで、政治分野でのランキングが上昇し、全体の数値を押し上げたのである。フランスではオランド政権になって閣僚の48%を女性にしており、これが大きな効果を上げた。一方、経済分野は相変わらずで57位のままである。

 こうしたランキングには、感情的な批判も多いが、しょせんはただのランキングであり、一種のゲームである。どのような評価項目があるのかを理解して、その対策を取れば、順位は必ず上がる。

 本来は米国のように、競争の結果として男女平等が実現するのが望ましく、アファーマティブ・アクション的な政策には弊害も多い。だが一方で、数値目標を掲げ強制的な措置を実施すれば、見かけ上の成果は簡単に獲得できるというのも事実のようである。

 - 政治, 社会 , , ,

  関連記事

obama201308
オバマ大統領がシリア軍事介入に慎重なのは、かつてのコソボ空爆の教訓?

 シリア政府が化学兵器を使用した可能性が高まってきたことで、米政府はシリアに対す …

euhonbu00
EUが中国製太陽光パネルに反ダンピング関税。保護主義への観測気球との見方も

 欧州連合(EU)の欧州委員会は5月8日、中国が欧州に太陽光パネルを不当に安く輸 …

kisho
気象庁が津波警報の発表方法を変更。初期段階では高さではなく「巨大」な津波と表現

 政府は3月8日、気象庁が発令する注意報と警報の上に「特別警報」を新設することを …

indochina
中印が経済的理由から急接近。インド側の狙いは日本と中国が「競争」すること

 中国の習近平国家主席は2014年9月17日、インドを公式訪問し、モディ首相と会 …

euwhitehouse
TPPも骨抜き?米欧FTAの交渉がいよいよスタート。米欧は妥結にかなり前向き

 米国と欧州の自由貿易協定である米欧FTAに関する第一回の交渉が7月8日、米国ワ …

uknuclear
英国の原発事業に中国が過半数の出資。日本の原発メーカーの戦略にも影響?

 英国と中国は10月17日、英国に建設する次世代原発の運営企業に中国が過半数の出 …

3chuzenkai
中国が国家安全委員会を設置した真意。日本との対決か治安維持か?

 中国共産党は、11月12日に閉幕した党の重要会議である第18期中央委員会第3回 …

chugokutaisikan
NSAによる電話盗聴でにわかに注目を浴びる大使館の「地理的条件」

 米国の諜報機関による電話盗聴問題によって、大使館の地理的な位置関係がにわかに注 …

asaddaasuma
本当は独裁政権など続けたくない?アサド大統領のものとされるメールの真偽

 英国のガーディアン紙がシリアのアサド大統領が送受信したとされるメール内容を報道 …

no image
アメリカで旅客機の座席が外れる事故が連続発生。不可解なトラブルに首をかしげる

 米国アメリカン航空で、2件立て続けに座席が床から外れるという考えただけでも恐ろ …