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7~9月期のGDPはかなり悪い?政府内部で経済対策に向けた動きが活発化

 

 政府内部で経済対策の実施に向けた動きが活発になってきた。背景には、7~9月期GDP(国内総生産)の数値がよくない可能性が高まってきたことがある。消費増税とは関係ないことを強調しているが、増税論議にも影響を与えそうだ。

 amari 甘利経済財政相は2014年11月3日、都内で講演し、7~9月期のGDPの内容が悪ければ、個人消費を喚起するため、経済対策を実施すべきだという考えを示した。具体的には、低所得者対策や子育て支援などが考えられるという。安倍首相も明言は避けているが、補正予算について「経済指標をよく見て考えていきたい」と発言しており、場合によっては補正予算を組む可能性を示唆している。

  政府が経済対策に動き始めている背景には7~9月期のGDPがある。2014年のGDPは物価の影響を除いた実質で、1~3月期がプラス1.5%、4~6月期がマイナス1.8%となっている。2013年10~12月期はマイナス0.1%だったので、1~3月期は消費増税前の駆け込み需要であった可能性が高い。4~6月期は、その反動で大幅なマイナスになったと考えられる。

 問題は7~9月期のGDPがどうなるのかだが、季節調整済みの実質GDPは前四半期比であることに留意する必要がある。1~3月期には1.5%のプラスとなり、4~6月期には1.8%のマイナスだった。単純に足し算はできないが、7~9月期が大幅なプラスにならなければ、通年でプラス成長を維持することが難しくなってしまう。
 7~9月期のGDPは11月17日に発表される予定だが、各種の統計を見ると、足元の個人消費はかなり弱い。GDPが大きく上振れする可能性は低いと考えるべきだろう。

 甘利氏は消費税とのバーターという解釈を意識してか、景気対策と消費税は切り離している考えていると述べた。実際、その通りであり、多少の景気対策を実施したからといって、増税への理解が一気に高まるほどの効果が得られるとは考えにくい。

 10月31日には日銀が追加緩和策を発表しており、為替市場と株式市場は大きく反応した。一部の企業にとっては円安は業績向上の要因となるが、消費者の生活という観点では、輸入物価の引き上げによる購買力低下の影響の方が大きいだろう。

 規模にもよるが、今回、景気対策が実施されたとしても、その効果は限定的であり、GDPへの影響はそれほどではない可能性が高い。追加緩和による円安で物価や株価の上昇はあるかもしれないが、個人消費は引き続き低迷が続くだろう。人によってはこれをスタグフレーションと呼ぶかもしれない。

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