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APEC終了後、米中が長時間の首脳会談を実施。米中関係はより実務的な段階へ

 

 米国のオバマ大統領と中国の習近平国家主席は2014年11月11日、北京で開催されていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の全日程終了後、あらためて米中首脳会談を行った。両国は新しい大国間関係を構築していくことについて再確認し、経済協力や地球温暖化対策などの分野で合意を得た。米中関係はより実務的な交渉段階に入ったといえる。

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 会談は2日にわたって行われており、両国の力の入れようが分かる。11日夜に、中国共産党と政府の中枢である中南海で夕食会と首脳会談が開催された。夕食会に先だって、両首脳が庭を散歩しながら歓談する様子が公開され、友好ムードが演出されていた。
  翌12日には、オバマ大統領の歓迎式典が行われ、昼食会とともに2回目の首脳会談が行われた。会談は予定時間を大幅に延長して終了となった。

  両首脳は2013年6月、米国カリフォルニア州で行われた首脳会談をきっかけに、本格的な米中交渉をスタートさせた。
 米国は軍事力を中東からアジアにシフトする、いわゆるリバランス戦略を進めている。一方、中国は南シナ海と東シナ海における中国の権益確保を至上命題としている。簡単に言ってしまえば、現在、行われている米中交渉は、アジア太平洋地域の覇権について、双方がどこまでを縄張りとするのかについての話し合いということになる。
 経済面では、主に米中の経済協力のあり方について交渉を行っている。米国と中国は世界第1位と2位の経済大国であり、米国は中国に対して大国にふさわしい制度の整備や市場開放を求めている。

 ただ、かつての米ソ関係とは異なり、米中は基本的価値観こそ異なるものの、交渉し、相互協力する相手であることが大前提となっている。
 会談後の記者会見においてオバマ大統領は、チベット問題や台湾問題などについて言及したが、両地域の独立は支持しないと、中国側にかなりの配慮を見せている。また香港のデモについても、公正で民主的な選挙を望むとしたもものの、最終的には中国と香港の国民が決定することであるとして、立ち入ったコメントは避けた。

 昨年の首脳会談以降、ケリー国務長官をはじめとする米政府高官が何度も中国を訪問しており、今回の首脳会談を地ならしをしている。会談が成功したことで、今後はより具体的、実務的な交渉が加速するとみられる。

 今回のAPECでは2年半ぶりに日中首脳会談が実現し、両国の緊張関係が緩和された。会談は日本側が求めたとされているが、財界からの要望に加えて、米国からの強い要請があったとの報道もある。
 日本側は、会談を実現するため尖閣諸島問題について譲歩しているが、日本側のこの対応は、米中首脳会談を成功させたかった米国にとっては、好都合だったはずである。

 - 政治

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