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日テレ内定取り消し騒動。あらためて分かる日本における雇用の「重さ」

 

 日本テレビに内定していた女子大生が内定取り消しの撤回を求めた裁判が2014年11月14日に始まった。内定取り消しの是非をめぐって世間では様々な議論が沸き起こっているが、一連の騒ぎを通して浮き彫りになったのは、日本の雇用制度の「重さ」である。

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 訴えを起こしたのは、2015年春に日本テレビにアナウンサーとして入社する予定で内定をもらっていた東洋英和女学院大学4年生の笹崎里菜さん。
 日本テレビは、笹崎さんが、かつて銀座の小さなクラブでホステスのアルバイトをしていたことについて問題視、「高度の清廉性を求められるアナウンサーにふさわしくない」という理由で内定を取り消したという。笹崎さんはこれに納得せず東京地裁に提訴した。

 クラブでアルバイトしていたことを申告していなかったことや、クラブのアルバイトそのものについてそこまで否定的に評価されるべきではないという声がある一方、アナウンサーはタレント的な仕事であり、テレビ曲としては当然の措置であるなど、テレビ局側を擁護する声もある。

 ただ、倫理的にはともかくとして、法的には日テレ側が少々不利な状況にある。一般的に日本では「内定」が出された時点で労働契約が成立していると解釈されており、今回の日テレ側の措置は、正式採用前とはいえ、解雇に近い行為と見なされる可能性がある。

 日本では、原則として企業側の勝手な都合で従業員を解雇することはできないようになっている。中小企業などの現場では、こうした労働法制は有名無実だが、大企業の場合には、判例を無視することはできないため、一方的な解雇はほとんど行われていない。

 日テレ側は、正式採用前であることを前面に出して争うことになる可能性が高いが、その部分を司法がどう判断するのかということになる。

 安倍政権はこうした解雇規制を緩和し、企業都合での解雇を容易にしようとしたが、反対の声が大きく断念したという経緯がある。解雇規制は労働者の権利を守る役割を果たしているが、企業の体質改善が進まず、いわゆる「働かないオジサン」を大量生産する要因にもなっている。
 今回の一連の騒動は、日本の雇用は重いものであり、たとえ内定段階であっても企業側には大きな責任があることを、あらためて示したといってよいだろう。

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