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オバマ外交を象徴する閣僚の一人、ヘーゲル国防長官が突然辞任

 

 オバマ大統領は2014年11月24日、ヘーゲル国防長官が辞任すると発表した。オバマ氏とヘーゲル氏は一緒に記者会見に臨んだが、辞任の理由は明確にしなかった。シリア問題をめぐる意見対立が背景とみられ、一部には事実上の更迭との見方もある。

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 ヘーゲル国防長官は、オバマ政権が掲げる安全保障政策の中核をなす人物と見られていた。オバマ大統領は、国内経済を最優先するとの立場から、軍事費の大幅削減を進めている。また中東に偏り過ぎていた軍事力をアジア太平洋地域にシフトする、いわゆる「リバランス戦略」を積極的に進めている。こうしたオバマ戦略のカギを握る人物のひとりがヘーゲル氏であった。

  ヘーゲル氏は、オバマ政権の安全保障チームでは唯一の共和党員。共和党ながら個人的にオバマ大統領に近いといわれてきた。ネブラスカ州選出の上院議員を2期12年務めた経験がある。軍人出身だが、イラク戦争の実施やイラン制裁に反対したり、イスラエルに対して批判的な発言を行うなど、安全保障面で独自の見解を持っており、共和党の中ではユニークな存在だった。

 大幅な軍事費の削減やアジア太平洋へのシフトについては、共和党内に反対する意見が多く、共和党と民主党の両方にパイプがあるヘーゲル氏は、オバマ政権にとって非常に重要な人材であった。実際、ヘーゲル氏は、各方面との調整を積極的に行い、軍事力のアジア・シフトと大幅な軍事費の削減に成功している。

 ただ、シリア問題については、ホワイトハウスと対立することが多く、これが辞任の引き金となったとする見方は多い。特にホワイトハウスで安全保障問題を担当するライス補佐官とは行き違いが発生し、これがヘーゲル氏が不満を募らせるきっかけになったとの報道もある。

 オバマ政権は任期が残り少なくなっており、中間選挙での敗北もあって、レームダック化を指摘する声が上がっている。オバマ政権の象徴的な閣僚の一人だったヘーゲル氏の辞任によって、政権の機能不全がさらに進むとの見方が広がっている。

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