ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

盛り上がる解散の「大義」に関する論争。結論は選挙の結果次第?

 

 衆議院を解散する「大義」に関する議論が活発になっている。野党側が「アベノミクスの失敗を覆い隠す大義なき解散」と反発しているほか、メディアでも同様の論調が一部に見られる。一方で、首相の専権事項ともいわれる解散に、そもそも大義が必要なのかという見解もある。

abe20141125

 11月21日の解散を受けて民主党の海江田代表は、「国民の信を問う大義名分がない」と述べ、解散の決断について批判した。また与党内でも、小泉進次郎議員のように「解散の大義が感じられない国民が多いのではないか」と述べ、万歳三唱をしなかった人もいる。

 安倍政権側は当然のことながら「国民に信を問う」重要な決断だとしており、解散の意義を強調している。一方、解散権は首相だけに与えられた専権事項であり、周囲がとやかくいうものではないとの見方もある。
 首相の解散権については、憲法に明示的に記されているわけではない。憲法第7条の国事行為に基づく解散については、内閣の助言と承認に基づいて実施されることになるので、一般的には内閣に解散権があると解釈されている。首相には罷免権があるため、実質的に解散権は首相の専権事項と理解されることになる。

 これとは異なる学説も存在しているのだが、1952年の吉田内閣における、いわゆる「抜き打ち解散」以後、7条解散は実質的に機能してきており、実務上、首相の専権事項と解釈するのが妥当だろう。

 今回、安倍首相が解散を決断したのは、来年の統一地方選、消費税の増税(延期を決断)、9月の総裁選、さらには再来年の参院選という政治日程を考慮に入れた上で、今、解散するのがもっとも政権維持にとって得策という判断をしたからにほかならない。

 その意味では、まぎれもなく党利党略の解散ということになるが、そもそも政治とは権力闘争の場であり、政党政治である以上、党利党略と無縁であることは難しいだろう。
 日本が議会制民主主義の国であることを考えれば、この解散に大義があるのかないのかについては、やはり選挙の結果で判断するしかなさそうである。

 - 政治

  関連記事

patten
香港最後の総督パッテン氏が、香港民主化をめぐり中国政府と英国政府を批判

 英国統治時代における最後の香港総督として世界的に有名な英国のクリストファー・パ …

no image
世界で進む、保守思想と進歩思想の両極化。日本人はどちらを選ぶのか?

 もっとも厳格なシャリア法(イスラム法)を適用しているサウジアラビアにおいて、I …

no image
中国初の空母、名前は「釣魚島」との噂は本当か?

  近く就航が予定されている中国初の空母に対して、沖縄・尖閣諸 島の中国名である …

ishiba
安倍首相は政権運営に自信満々?ガス抜きとしての党内人事や内閣改造も不必要

 自民党は9月17日、役員会を開催し、今月末に任期が切れる石破幹事長ら党三役を続 …

kuruguman02
クルーグマン教授が安倍首相との会談内容を暴露。日本はオフレコの概念もガラパゴス

 政府側が非公開を前提にしていた国際金融経済分析会合でのやり取りを、ポール・クル …

abejosei
安倍首相が配偶者控除の廃止を指示。是非を議論できる段階は過ぎている

 安倍首相は2014年3月19日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議にお …

abensc
日本版NSCの概要が固まる。現行法よりは進歩しているが、抱えている問題は変わらず

 政府は外交・安全保障の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)の概要を固め …

no image
中国の漁船団1000隻が尖閣に集結との情報。ただし位置特定システム上では未確認

 日本の尖閣諸島国有化に対抗して、大量出航したといわれている中国の漁船1000隻 …

family3nin
課税対象の「個人」から「世帯」への見直しは、アベノミクスにも逆行する

 政府は少子化対策のひとつとして、所得税の課税対象を「個人」から「世帯」に変更す …

abeaso
見かけ上?好調なGDPの数値から、安倍政権内部で消費増税先送り論が台頭。

 2013年1~3月期の国内総生産(GDP)の数値が好調だったことから、参院選を …