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日本企業の経営環境が激変?金融庁と東証がまとめた統治指針案のインパクト

 

 金融庁と東京証券取引所は、上場企業に少なくとも2名以上の社外取締役の設置を求める方向で調整を開始した。同様の内容を盛り込んだ企業統治指針の原案をまとめ、11月25日に開かれた有識者会議に提出。来年の実施を見込んでいる。
 東証はこれまで、上場企業に対して1名以上の社外役員の選任を求めてきたが、指針が導入されれば、さらに1名の追加が必要となる。取締役会の雰囲気は一変する可能性が高い。

 yakuinousetsu これまで日本企業の多くは、欧米型の企業統治は異なるやり方を採用してきた。株主が企業の所有者として権限を行使するケースは少なく、経営陣は主に従業員からの内部昇格で就任していた。
 こうした、いわゆる日本型経営をあらため、グローバルスタンダードに合わせようという議論は過去に何度も行われたが、ほとんど実現していなかった。
 だがこの流れを大きく変えるきっかけになったのが、アベノミクスの成長戦略である。安倍政権は、外国からの投資拡大を掲げており、その対策の一環として企業統治の強化を打ち出してきたからである。

 こうした安倍政権の動きをうけて、公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)などが、企業に対してROE(自己資本利益率)向上を求めていく方針を明らかにしている。金融庁と東証の動きも、これに関連したものである。

 指針は、社外取締役の複数設置、買収防衛策や株式持ち合いを実施する場合の説明責任など、株主利益の向上を強く求める内容となっている。これらの施策が実際に導入されれば、日本企業の経営環境は180度変わることになる。

 これまで社内だけを向いていた経営陣が、外部の株主と向き合うようになる。日本企業は過去最高水準の内部留保を蓄積しているが、こうした余剰利益について、自社株買いや配当という形で株主に還元する動きが活発化するだろう。また、外部からプロの経営者を招聘する動きも増えてくる可能性が高い。

 上場企業の一部からは、社外役員にふさわしい人材が不足しており、すぐに実施は難しいとの意見が出ている。また社外役員として官僚OBが就任するケースが増える可能性があり、あらたな天下り先になるとの指摘もある。
 だが、政策として舵を切った以上、この流れは今後、加速していく可能性が高い。経営の透明性を高め、株主重視を打ち出した企業とそうでない企業の株価は今後、二極分化していくことになるだろう。

 - 政治, 経済 ,

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