ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

物価上昇率はとうとう1%割れ。だが確実にインフレ期待は醸成されている?

 

 総務省は2014年11月28日、2014年10月の消費者物価指数を発表した。代表的な指標である「生鮮食品を除く総合(コア指数)」は前年同月比でプラ ス2.9%となり、先月に引き続いて上昇幅が縮小した。日銀では消費税による物価への影響は2%と見ており、消費税の影響を差し引くと、物価上昇率は1%を切ることになる。

 bukkajoushou このところ物価上昇率は月を追うごとに低下している。7月はプラス3.3%、8月はプラス3.1% 9月はプラス3.0%であった。消費税の影響を差し引くと、それぞれ、プラス1.3%、プラス1.1%、プラス1.0%ということになる。今回はプラス0.9%と1%割れとなった。2年で2%という日銀の物価目標は達成がほぼ不可能な状況となった。

 今月の消費者物価指数が消費税の影響を除いて1%割れとなるのは、すでに多くの関係者が予想していた。このところ個人消費が低迷しており、それにともなって物価上昇が鈍化していることは明らかだったからである。実際、7~9月期のGDPは年率換算でマイナス1.6%と極めて悪い数字であった。

 もっとも日銀はすでに追加の量的緩和を決定しており、それに伴ってさらに円安が進行している。円安の進行は輸入物価上昇につながるので、今後は物価上昇スピードが上がってくることになるかもしれない。これまで最終製品への価格転嫁をためらっていた事業者も今回の円安を期に値上げに踏み切るところが増えている。
 メディアでは、このところ物価上昇を憂慮する記事が増えてきており、プラスの評価なのか、マイナスの評価なのかはともかくとして、インフレ期待はかなり醸成されているといってよい。2年で2%は無理でも、近い将来、物価目標を達成することは現実的になってきたかもしれない。

 問題はこうしたインフレ期待が、実体経済に対してどの程度、効果があるのかという点である。いわゆるリフレ派が主張するように、経済は貨幣的なものなのか、それとも反対派が主張するように、別の要因で経済は動くものなのか、インフレ期待がはっきりしてきた今、その答が出ようとしている。

 - 経済 ,

  関連記事

bloomberg
ブルームバーグNY市長が英フィナンシャル・タイムズ買収を計画。名誉欲が出てきたか?

 ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏が英国の名門経済誌フィナンシャル・ …

no image
EUが金融取引税(トービン税)の導入を決定。欧州はルビコン川を渡ってしまった

 欧州連合(EU)は9日、ルクセンブルクで理事会を開き、金融取引税(いわゆるトー …

itochu
伊藤忠が取り組む業務朝型化の本質は、フレックス制度の廃止にある

 伊藤忠商事は8月2日、社員の朝型化を目指して、勤務体系の見直しを行うと発表した …

contena2
円安なのに輸出が増えない!Jカーブ効果というが本当なのか?

 財務省が20日発表した1月の貿易収支は1兆6294億円の赤字となり、単月の赤字 …

toyotahonsha
トヨタが株主総会で種類株を可決。本気度が問われる新しい日本流ガバナンス体制

 トヨタ自動車は2015年6月16日、主要企業のトップを切って株主総会を開催した …

newyork01
中国と米国で相次いで製造業指数が悪化。すべては米国頼みの構造に

 中国と米国で製造業に関する良くない指標が続いている。米供給管理協会(ISM)が …

fanakku
秘密主義から一転、株主との対話路線に舵を切った「謎の会社」ファナック

 産業用ロボット大手ファナックの株価が急騰している。2月初旬には2万円前後だった …

no image
石油で世界制覇を目論むロシア。危険なゲームに乗り出す英国。日本も巻き込まれるゾ!

 ロシアの国策石油会社の存在感が高まっている。  ロシアの国営石油最大手ロスネフ …

plazuma
パナソニックが上海工場を閉鎖。ようやくプラズマから撤退を決断

 パナソニックが、中国・上海にあるプラズマテレビ組立工場を閉鎖する。すでに生産は …

suga03
動き出す法人税減税。今後の焦点は特定企業を優遇する制度の改革へ

 甘利経済財政・再生相は2014年3月20日の記者会見で、法人実効税率の引き下げ …