ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国経済を占う感謝祭セール。失業率の低下と原油安で出足は絶好調

 

 米国経済の先行きを占う年末商戦がスタートした。今年の年末商戦は米国景気の回復に原油の大幅安という好条件が重なっており、大幅な伸びが期待されている。一方、実店舗からネットに流れる傾向がさらに顕著になっており、同じ年末商戦といってもその内容は年々変化しつつある。

cybermonday 米国では 11月の第4木曜日は感謝祭の休日となるが、多くの小売店でその翌日から大がかりな値引きセールが行われる。感謝祭からクリスマスまでの1カ月間、米国では年末商戦一色となり、小売店は年末商戦の期間だけで年間の売上げの2割を稼ぐといわれている。米国のGDPはその7割が個人消費で占められており、年末商戦の動向は、米国経済の先行きを示すバロメーターといってよい。

 今年の米国経済は順調に推移してきたことから、年末商戦は活気を帯びたものになると予想する声が多い。米国の7~9月期の実質GDPはプラス3.5%(年率換算)と好調だったが、それにも増してよい影響を与えそうなのが、雇用の拡大と原油安である。

  11月7日に発表された雇用統計は、非農業部門雇用者数の増加が前月比21万4000人、失業率が5.8%と非常に良好だった。特に失業率は2008年7月以来の低い水準であり、着々と完全雇用に近づきつつある。リーマンショック以後、条件の悪い仕事に乗り換えた人が多いと言われており、雇用の質を問う声もある。だが、米国人にとって仕事があることは、何よりも重要なことである。年末を控えて失業率が低下していることは、消費を拡大させる効果があることは間違 いない。

 この状態に拍車をかけそうなのが大幅な原油安である。米国で大量のシェールガスが生産されていることや、世界経済の減速懸念から 原油価格の下落が続いている。石油業界など一部の業界にはマイナスだが、米国の消費者にとってはガソリン価格の下落がもたらす影響は極めて大きい。すでに 大型車の売れ行きが増加するなど価格下落の効果が出てきている。ガソリン価格の低下で浮いたお金を年末商戦に回す可能性は高く、米国経済全体にとっては追い風となるだろう。

 全米小売業協会によると、年末商戦の売上高は前年同期比プラス4.1%と3年ぶりの高い伸びになる見通しだ。ただ、年末商戦の中身は年々変化しているといわれる。

  米国では感謝祭の夜に家族で食事をし、次の日に行われるセールの列に並ぶのが恒例となっているが、一部の小売店では、感謝祭当日からセールを行うようになっている。感謝祭の翌週からスタートするネット小売店でのセールで買い物をする人も増えてきており(ネット上のセールは月曜日に始まるのでサイバーマンデーと呼ばれる)、買い物の形態は多様化している。
 ネット小売店にとっては追い風だが、一部の実店舗を要する小売店では、思いのほか苦戦を強いられるかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

businessman02
10~12月期のGDPは輸出不振から予想を下回る。早くも補正予算追加との声も

 内閣府は2014年2月17日、2013年10~12月期の国内総生産(GDP)を …

sukiya201408
「すき家」の赤字転落は、これから深刻化する人手不足経済の縮図?

 大手牛丼チェーン「すき家」を展開するゼンショーホールディングスは、人手不足によ …

wsj120 02
ウォールストリート・ジャーナルが創刊125年。当時の紙面は今とあまり変わらず

 米国を代表する経済誌であるウォールストリート・ジャーナルが2014年7月8日で …

no image
楽天が出版取り次ぎに参入。その本当の目的は?

 楽天が出版取り次ぎ業に参入すると朝日新聞が報じている。取り次ぎとは書籍の卸売業 …

ieren02
イエレン氏の議会証言声明文。内容は予想通りで、失業率を重視し緩和継続へ

 米FRB(連邦準備制度理事会)は、バーナンキ議長の後任に指名されたジャネット・ …

economistataranai
GDP改定値はまさかの下方修正。今回もエコノミストは大ハズシなのだが・・・

 内閣府は2014年12月8日、7~9月期のGDP(国内総生産)改定値を発表した …

ecb
EUが銀行監督一元化で合意。欧州は後戻りできない道に入った!

 欧州連合(EU)は13日に開いた財理事会で、ユーロ圏の銀行監督業務をECB(欧 …

erupida
全国の倒産件数は過去20年で最低。政府の延命策と復興需要に完全に依存

 東京商工リサーチは2012年の全国企業倒産状況を発表した。それによると、倒産件 …

abejosei
4~6月期のGDPは大幅マイナスの見込み。秋以降、政局流動化の可能性も

 来週に発表される4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、大幅なマイナスに …

nucleayankey
コスト高から原発撤退が相次ぐ米国。簡単に原発からの撤退を決められるのはナゼ?

 米国で原子力発電からの撤退が相次いでいる。理由は安全性への懸念ではなくコスト。 …