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12月8日発表のGDP改定値は上方修正の見込み。ただ全体的な景気動向は変わらず

 

 財務省は2014年12月1日、7~9月期の法人企業統計を発表した。ソフトウエアを除く全産業の設備投資額(季節調整済)は前期比プラス3.1%となった。法人企業統計の結果は7~9月期のGDP(国内総生産)の改定値に反映されるので、数値は上方修正される可能性が高くなってきた。

 tokyowan 11月17日に発表された7~9月期のGDP速報値は、物価の影響を除いた実質でマイナス1.6%(年率換算)となり、市場には大きな衝撃が走った。これによって消費増税の先送りが決定となり、解散総選挙の争点はアベノミクスそのものへと変質することになった。

 このところ個人消費が低迷しており、成長が鈍化しているのは間違いない。ただ、今回のGDPでマイナス要因が大きかったのは、在庫調整と設備投資である(在庫については寄与度でマイナス0.6%、整備投資については前期比でマイナス0.2%であった)。

 在庫には製品在庫、仕掛品、原材料などがある。速報値の段階において、製品在庫については品目ごとのデータが使用されるが、仕掛品や原材料については一定の推計が行われる。また設備投資についても、需要側の数字が分からないので、工業製品の出荷指標など供給側から推定されている。

 12月8日に公表予定の改定値では、需要側の統計である法人企業統計の結果が数字に反映されることになる。法人企業統計においても、在庫調整が進んでいることが確認されており、この部分については大きな変化はない可能性が高い。
 設備投資については、プラス3.1%という結果が出ているので、改定値は上方修正される可能性が高い。ただ、法人企業統計の設備投資はサンプル調査であり、実際にGDPに適用するためには、サンプル調整やリース取引分の除外作業を行う必要がある。最終的な数値がどうなるのかは、最終的なGDPの公表を待たないと何ともいえない。民間エコノミストの予想にもバラツキがあるようだ。

 ただマイナス成長に対する寄与度という意味では、在庫の部分が大きく、設備投資が上方修正されたとしても、大幅なプラス成長にはならないだろう。最終的には、マイナス成長のままか、横ばいといった水準に落ち着く可能性が高い。
 もしそうであれば、本来、反動で大幅上昇するはずだった数値が低迷しているという状態に変わりはなく、景気全般に対する解釈は変化しないと考えてよいだろう。

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