ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米次期国防長官は、実務官僚で経験豊富なカーター氏に落ち着く?

 

 辞任が決まっているヘーゲル米国防長官の後任に、前国防副長官のアシュトン・カーター氏が指名される可能性が高まってきた。米メディアが報じている。ただ後任長官の人事をめぐっては複数の人物が辞退したともいわれており、ホワイトハウスとの軋轢が大きいことがあらためて浮き彫りになった。

carter

 カーター氏は、クリントン政権下で国防次官補に就任、オバマ政権では国防次官に就任し、2011年には国防副長官に昇進している。国防総省での経験が長く、テクノロジー、調達、兵站(ロジスティクス)、戦略など、幅広い分野を経験しており、手堅い人物と見られている。
 国防副長官としては、ヘーゲル国防長官の下、オバマ政権が進める軍事力のアジア・シフト(いわゆるリバランス戦略)、国防予算の大胆な削減など、主要なプロジェクトを責任者として取り仕切った。

 実務経験が豊富なカーター氏が国防長官に就任すれば、巨大官庁である国防総省の把握は比較的容易であると考えられる。だが、大物上院議員出身で、オバマ政権の安全保障政策の要として長官に就任したヘーゲル氏に比べると軽量級という印象は否めない。強力な政治的リーダーシップで改革を進めるという形にはならない可能性が高く、シリア問題なども実務的な対応となるだろう。

 後任の国防長官選びはかなり難航したと伝えられている。国防長官は、国務長官と並んで大統領に次ぐ地位であり、誰もが就任を望むポストだが、現在の状況で国防長官への就任を望む人は少ない。

 ホワイトハウスではライス補佐官が安全保障問題を仕切っているが、ライス氏は国防総省側の状況はあまり考慮せず、ホワイトハウス内部だけでものごとを決定する傾向が強いといわれている。
 外国の紛争に出来るだけ関与したくないオバマ政権と、従来と同様の関与を望む国防総省側は基本的な利害が対立する。共和党の大物上院議員でありながら、民主党政権の国防長官に就任したヘーゲル氏には、こうした状況を政治力で乗り切る手腕が期待されていた。だがヘーゲル氏とライス氏のコミュニケーションは良好ではなく、結果的にヘーゲル氏が辞任する形となった。

 ヘーゲル氏ほどの人物でも対処が難しい現状において、わざわざ火中の栗を拾いに行く人材はそうそういない。一時期は、女性のミシェル・フロノイ元国防次官の就任が取り沙汰されたが、フロノイ氏は家庭の事情を理由に辞退する考えを表明。民主党のジャック・リード上院議員の名前も挙がったものの、リード氏も固辞する意向を明らかにしていた。

 最終的に手堅い人物であるカーター氏に落ち着いたわけだが、逆にオバマ政権にとっては独自色を打ち出しにくくなったともいえる。任期も残り少ない状況であり、大きな動きは取りづらい状況になったかもしれない。

 - 政治 , ,

  関連記事

josei02
女性登用目標値設定など、労働慣行に対する「上からの改革」が急ピッチで進行中

 日本の労働慣行に対する「上からの改革」が急ピッチで進められるようとしている。政 …

shakaihoshokokuminkaigi
世代間不公平は考慮せず。社会保障制度改革国民会議の報告書案はかなり後ろ向き

 政府の「社会保障制度改革国民会議」は7月29日、年金や医療など社会保障分野の改 …

hoikuen
社会福祉法人の情報公開を徹底するだけでも、待機児童の問題は改善する可能性がある

 保育施設の規制緩和が進まず、待機児童の数が減らない理由のひとつに、既存の保育施 …

no image
エアバスと防衛大手BAEの合併案に異論噴出!頓挫する可能性も

 欧州航空大手エアバスの親会社EADSと英防衛大手BAEシステムズの経営統合に、 …

sheruidemitu
経産省の主導の「上から」の再編にノー。出光創業家が昭和シェルとの合併に反旗

 石油元売り大手である出光興産の創業家は2016年6月28日、同社の株主総会にお …

sanpeter
中国がバチカンに台湾との断交をあらためて要求。なぜ両者は対立しているのか?

 ローマ法王庁(バチカン)と断交状態にある中国政府は、新しくローマ法王に就任した …

joseikatuyaku
政府が1億総活躍社会における経済効果を試算。個人消費は13.7兆増えるとしているが・・・

 政府は2016年4月18日、一億総活躍社会を目指す取り組みが実現した場合の経済 …

abetouben
安倍政権が考える言論の自由と民主党が考える言論の自由

 与野党の間で「言論の自由」の考え方をめぐって論争となっている。安倍首相がテレビ …

kanntei
政府が解雇要件を緩和する方向で検討を開始。だが公務員だけは例外という大矛盾

 政府はこれまで法律や判例で手厚く保護されてきた労働者の解雇要件を大幅に見直す方 …

f15se
韓国が次期戦闘機としてF15を不採用。理由はステルス性能不足ということなのだが・・・・

 次期戦闘機の選定を行ってきた韓国政府は9月24日、最終選考に残っていた米ボーイ …