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円高要因が見当たらない?。市場ではすでに1ドル=120円以後の展開に注目

 

 ドル円相場が1ドル=119円台後半まで下落したことで、市場はすでに120円突破後の動向に注目が集まり始めている。今のところ、短期的な相場の巻き戻し以外に大きな円高要因が見当たらないため、さらに円安が進むとの見方も広がっている。

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 12月4日の東京外国為替市場は、円が続落して始まった。朝の段階で1ドル=119円80銭となっており、120円突破は時間の問題となりつつある。
 一連の円安の基本にあるのは、米国経済の回復によるドル高である。4日の下落は、米供給管理協会(ISM)が発表した非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことがきっかけだが、これ以外にも米国経済の回復を示す指標が多数発表されている。米国は来年にも利上げが予想されており、米国の金利が上昇すれば、さらにドル高が進む可能性が高い。

 こうした状況に拍車をかけているのが原油価格の下落である。原油価格の下落は世界経済の減速懸念が大きな要因となっているが、米国は必ずしもそうとは限らない。米国経済は個人消費の割合が高く、原油価格の下落は可処分所得拡大につながり、経済にとってプラスの影響となりやすい。実際、11月の新車販売台数は、前年同月比4.6%増の130万2043台となり、11月としては13年ぶりの高水準となった。このため原油価格の下落は、資源国通貨安とドル高を引き起こすことになる。

 日本国内に目を転じれば、原油価格の下落は必ずしも円安要因ではないが、今の経済情勢では円売りにつながってしまう。なぜなら、原油価格の下落は国内物価の下押し要因となるからだ。
 日銀は10月に追加緩和を決定しているが、それは国内のインフレ期待の後退を危惧したからである。今のところ国内の物価上昇のほとんどは円安による輸入価格上昇を通じて実現している。ここで原油価格が下落してしまうと、物価上昇が鈍化してしまう可能性が高い。

 日銀が直接口に出して説明することは決してないが、追加緩和は円安を加速させ、物価目標を実現させるという強い意思で行われていることは明白である。そうだとするならば、原油価格の下落は、日銀に対するさらなる追加緩和を想起させることになる。日銀が実際に決定するのかはともかく、これが円安期待につながることはほぼ間違いない。

 市場ではすでに1ドル=120円を突破した後の動向に注目が集まっている。普通に考えれば一つの心理的節目を突破したことで、一旦は円高に戻る展開が考えられる。だが、マクロ的に円安要因ばかりが揃っている今、120円突破によって、さらに円安が加速する可能性もある。

 新聞報道では総選挙で自民党が300議席を超えるとの見方も出ている。選挙の情勢が自民党優位ということになれば、アベノミクスは信任ということになり、円安と株高はさらに進むことになるだろう。政治とは別の意味で、選挙の情勢から目が離せなくなってきた。

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