ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

全銀協が24時間振り込みに対応する方針。最終的なライバルはビットコイン?

 

 銀行業界が振り込みの24時間対応に向けて動き始めた。もし実現すれば、15時で当日受け付けを締め切るという古い慣行に風穴が開くことになる。

ginkou

 現在、銀行間の決済業務は、全国銀行協会(全銀協)が運営する全銀システムによって行われている。全銀システムの稼働時間は平日8時30分~15時30分となっており、15時までに振込手続きをしないと当日扱いにはならない。

 海外では、24時間決済を導入するところが増えてきており、これにならって国内でも時間延長に対応すべきという議論が高まっていた。英国は2008年から全銀行が参加する24時間決済システムを導入しており、取引量が増加するなどの効果が上がっているという。

 ただ、全銀協のシステムを改修するためにはかなりのコストがかかると見込まれており、費用対効果の面から疑問視する声もあった。利用者に対する調査でも、夕方から夜にかけてや土日祝日にはニーズがあるものの、深夜のリアルタイムの振り込みにはあまり需要がないとの結果が出ていた。

 最終的には24時間に振り込みに対応する方針が固まり、ゆうちょ銀行もこれに参加する見通しとなったわけだが、長い目で見れば意味のある決断だと考えられる。それは新しい金融テクノロジーが次々と誕生しているからである。

 海外の銀行が24時間決済への対応を急ぐ背景のひとつには、インターネット上の仮想通貨ビットコインとの競争があるといわれている。
 日本ではビットコインは単なるモノという扱いだが、米国や英国では、実質的に通貨として利用することを認めており、ビットコインでの支払いに対応する事業者が増えている。ビットコインはネットで流通するグローバル通貨なので、24時間決済のニーズはたくさんある。このままビットコインの普及が続けば、ビットコインを安価に決済する銀行のような事業者が出てくるのは時間の問題であり、従来のようなサービス体系を続けていては、銀行は相対的に厳しい環境に置かれることになる。

 日本の銀行は、振り込みの時間制限の問題に加えて、海外送金が不便で手数料が高いという問題も指摘されている。これもビットコインのようなグローバル通貨に利用者を奪われるきっかけとなる。振り込みの24時間対応をきっかけに、こうした部分への議論拡大が期待される。

 - 経済 ,

  関連記事

barroso
米とEUが米欧FTAの交渉開始。これが出来上がるとTPPなど吹っ飛ぶ?

 米国と欧州連合(EU)は13日、米欧における自由貿易協定(FTA)の交渉を開始 …

businessman
給料の世代間格差に変化の兆しが。高齢者以外は結局皆同じに?

 賃金など労働者の待遇に中高年と若年層で格差があることは以前から指摘されているが …

jinminginkou
中国のマネーサプライが急増。バブル崩壊なのかそれとも長期低迷なのか?

 中国人民銀行によると、2012年末時点で中国のマネーサプライ(M2)が97兆4 …

renesasu
政府救済のルネサス決算。1万人のリストラは決めたが、事業面の進捗はゼロ

 経営危機が表面化し、産業革新機構などによる支援が決定している半導体大手ルネサス …

sharp
シャープの増資は政府による資産買い取りとセット?史上最大のモラルハザードの可能性

 シャープが検討している公募増資は、政府による資産買い取りとセットである可能性が …

kurodadenki
旧村上ファンドによる株主提案が可決。株主総会の光景は大きく変わった

 会社提案の議案が次々と可決されるだけの「シャンシャン総会」が当たり前だった日本 …

detroit
米自動車産業は奇跡の復活を遂げたのに、なぜデトロイト市は破綻したのか?

 GM(ゼネラル・モーターズ)やフォードなどが本拠を構える自動車の街、米デトロイ …

tosho03
公的年金が海外インフラ投資への参入を検討。国内の株式はどうするの?

 日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用指針の …

softbankpepason
四半期決算好調も株価が冴えないソフトバンク。重しはやはり米国事業

 ソフトバンクの米国事業が同社の株価の重しとなっている。足元の業績は好調だが、本 …

nichigin02
円安をめぐって日銀と政府・財界に温度差。追加緩和か物価目標修正か?

 急激に進む円安をめぐって、日銀と政府・財界に温度差が出てきている。今後の金融政 …