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GDP改定値はまさかの下方修正。今回もエコノミストは大ハズシなのだが・・・

 

 内閣府は2014年12月8日、7~9月期のGDP(国内総生産)改定値を発表した。物価の影響を除いた実質GDPはマイナス1.9%(年率換算)と速報値(年率換算でマイナス1.6%)からさらに下方修正された。前回の速報値では、エコノミストの予想とは正反対にマイナス成長となり、市場に衝撃が走った。改定値は上方修正されるとの予測が大半だったが、今回もエコノミストの予想は完全に外れてしまった。

 economistataranai 要因として大きかったのは公共事業と設備投資。速報値では公共事業はプラス2.2%だったが、改定値ではプラス1.4%に下方修正された。設備投資はマイナス0.2%だったが、最終的にはマイナス0.4%となった。

 GDPは直接計測するものではなく、各種の統計データから作成する2次統計である。このため発表される時期によって使用できる統計が異なっている。
 今回、発表された改定値には、法人企業統計など新しい統計の結果が反映されることになるのだが、エコノミストはこうした新しい統計を見て、数値を予測している。

 12月1日に発表された7~9月期の法人企業統計では、ソフトウエアを除く全産業の設備投資額(季節調整済)が前期比プラス3.1%となっており、比較的好調だった。GDPの確定値ではこのデータが追加されるため、設備投資が上方修正されると多くのエコノミストが判断していた。

 実は、本誌も上方修正されると予想していたのだが、結果は驚きの下方修正であった。法人企業統計の設備投資はサンプル調査であり、実際にGDPに適用するためには、サンプル調整やリース取引分の除外作業を行う必要がある。このあたりが数字に影響した可能性がある。

 公共事業についても同様で、建設総合統計の最新結果は悪い数字ではなかったことから、横ばいと見るエコノミストが多かった。だが公共事業も下方修正となったことで、全体の足を引っ張る形となった。過去の数字が改定されてしまった影響で、今期のプラス幅が減ってしまったものと考えられる。

 前回のGDPでは、エコノミストの予想があまりにも現実と違っていたことから、エコノミストの予想について疑問視する声が相次いだ。今回の予想も前回と同様、エコノミストの予想は完全に間違っていた。

 ただ、今回の確定値については、上方修正されると判断したエコノミストが多かったことは、致し方ないことかもしれない。エコノミストの予想がいい加減というよりも、エコノミストが持っている情報だけでは、精緻な予測は難しいと考えた方がよいだろう。

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