ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

11月の米雇用統計は極めて良好。来月も同じ傾向が続けば円安が加速か?

 

 米労働省は2014年12月5日、11月の雇用統計を発表した。非農業部門の雇用者数の増加は32万1000人となり、事前予想を大きく上回った。米国の雇用が急拡大していることが明らかとなった。米国は来年にも利上げが予想されているが、年明けの雇用統計次第では、利上げが早まる可能性も出てきている。

 usakoyoutoukei201412 米国では新規雇用者数の増加が20万人を超えていると好景気とみなされる。これまでの新規雇用者数の推移は、8月が20万3000人、9月が27万1000人、10月は24万3000人であった。この数値は、今回上方修正されたものなので、5日の発表前まではもっと小さい数字であったことに留意する必要がある。
 市場関係者の多くは22万人から23万人程度の増加を予想しており、32万人という数字はかなりのサプライズといえる。米国の雇用は改善が進んでいるといわれていたが、足元では急激に雇用が拡大していることが鮮明となった。

 米国では年末商戦に突入しており、例年、この時期は雇用が増える傾向にある。だが、32万人という数字は単なる季節要因ではなく、米国の雇用が回復してきたサインと理解した方がよいだろう。
 失業率は5.8%と横ばいだったが、もはや完全雇用が見えてきている段階であり、ここからの大幅な上昇は難しいと考えるべきである。景気が好調なので、昇給を狙った離職も増えてきており、単純に失業率が減少することにはならない可能性が高いからだ。

 米国では来年、利上げが行われる見込みだが、その時期は夏頃ではないかといわれていた。FRBのイエレン議長は、景気動向に加えて雇用を重視しており、雇用が大幅に改善しないと、利上げの前倒しはないといわれてきた。
 今回の雇用増が一時的なものなのか、それとも恒常的なものなのかについては、来月の雇用統計を見てから判断する必要がある。もし来月以降も雇用環境が良好だった場合、早期利上げを予想する声が高まってくることになるかもしれない。

 早期利上げという雰囲気になれば、円安がさらに加速する可能性がある。物価目標を達成したい日銀にとっては朗報かもしれないが、輸入物価の上昇に苦しむ一部の中小企業にとっては、状況がさらに厳しくなるかもしれない。

 - 経済 , ,

  関連記事

goan
10億の報酬をもらうゴーン氏。だが仏本国では世論に配慮し少額しかもらっていない

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は6月25日に開催された株主総会で、2013年 …

shokutaku
家計のエンゲル係数上昇がより顕著に。トランプ経済は日本にとって最後のチャンス?

 家計のエンゲル係数の上昇が顕著となっている。エンゲル係数の上昇には様々な要因が …

machikado
景気の現状分析。アベノミクスは個人消費を刺激しているが、製造業は依然厳しい状況

 アベノミクスによる株高で日本経済に対する期待感が広がっているが、足元の景気の実 …

netbankingfusei
ネット銀行の不正利用被害、法人も補償へ。ただし、利用者にはあまりにも情報がない

 全国銀行協会は2014年7月17日、インターネットを使った不正送金に関する法人 …

shogaigenneki
厚労省が年金の維持可能性検証をスタート。全国民・生涯現役が必須要件か?

 厚生労働省は、長期間にわたって年金を維持することが可能なのかについての検証作業 …

saka
竹中氏の天敵、日本郵政の坂社長が政府与党からの批判を受け半年で退任

 日本郵政の坂篤郎社長が退任する見通しになったと各紙が報じている。坂社長は昨年1 …

nihonen
円高が止まらない。政策の手詰まり状態を市場は見透かしている?

 為替市場で急速な円高が進んでいる。欧州で英国のEU(欧州連合)離脱への警戒感が …

koyouchingin
雇用環境は改善しているのに、生活実感は悪化。続く需給のミスマッチ

 雇用と生活環境のミスマッチが拡大している。求人倍率が増加し失業率は過去最低水準 …

mitsukoshi
個人消費が中間層にも拡大の兆し。日本経済が構造転換したサインか?

 これまで富裕層に限定されていた消費拡大が中間層にも波及する可能性が出てきた。日 …

pwr
原発再稼動が進み始めているが、三菱重工と日立の原発事業統合はどうなる?

 安倍政権が原発再稼動に向け着々と布石を打っていることから、電力システム部門の統 …