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国際収支は円安による投資収益の拡大で改善傾向。日本は成熟国への道を歩む

 

 日本の国際収支が円安によって改善してきた。期待されていた輸出の回復によるものではなく、海外からの投資収益の拡大が主な理由である。これは日本経済が成熟型に転換してきた証拠であり、前向きに捉えてよいだろう。

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 財務省は2014年12月8日、10月の国際収支を発表した。最終的な国の収支を示す経常収支は8334億円の黒字であった。黒字は4カ月連続となっており、経常収支の改善傾向がより顕著になってきた。
 経常収支が黒字になった最大の理由は、海外投資からの収益を示す第1次所得収支が、円安によって大幅に拡大したことである。所得収支は2兆186億円にのぼり、1985年以降では最大となっている。

 日本はすでに慢性的な貿易赤字国に転落している。安倍政権は当初、輸出拡大で貿易赤字を食い止めようと、輸出企業に対する振興策を強く打ち出していた。だが、思いのほか輸出が増えないことから、輸出拡大策に対してはあまり関心を示さなくなった。

 安倍政権のこうしたスタンスは結果的なものかもしれないが、現実の経済情勢に合致している。日本は生活水準が上がり、国内企業が付加価値の低い製品を製造するメリットはなくなった。製造拠点の海外移転も進み、日本は多くの製品を輸入に頼るようになっている。これは、英国や米国など、多くの先進国がたどってきた道であり、このトレンドに逆行することはデメリットが大きい。

 一方、日本には貿易黒字の蓄積で得た巨額の外貨があり、その運用によって得られる投資収益は貿易赤字をカバーするほどの金額となる。日本はすでにお金がお金を生み出す、いわゆる金融立国になっているのだ。
 貿易赤字の拡大は、円安要因となるが、一方で、円安は海外からの投資収益を拡大させるので、最終的な経常収支は均衡する。数量ベースの輸出はあまり増えていないが、経常収支は当分の間、安定的に推移するだろう。

 中長期的には経常収支も赤字になっていく可能性が高いが、それまでには多少の時間がある。この間に、国内資本市場の整備や規制緩和など、成熟国家としてのインフラをさらに強化していく必要があるだろう。

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