ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

10月の機械受注はマイナス。10~12月期GDPの設備投資もかなり厳しいか?

 

 内閣府は2014年12月11日、10月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比でマイナス6.4%となった。
 7~9月期のGDPが悪い数値となり、衆院解散と消費増税延期の引き金となったが、その原因のひとつが民間の設備投資であった。機械受注統計は、設備投資の先行指標といわれているが、10月がマイナスになってしまったことで、10~12月における設備投資の見通しも不透明になってきている。

setubitousi

 7~9月期のGDP改定値における設備投資は前期比でマイナス0.4%となり、速報値のマイナス0.2%から下方修正された。12月1日に発表された法人企業統計では、ソフトウエアを除く全産業の設備投資額(季節調整済)が前期比プラス3.1%となっており、比較的堅調だった。このため多くのエコノミストが設備投資の上方修正を予測していた。

 だが、中小企業の設備投資が伸びていないことなどが考慮され、結果的に数値は下方修正となってしまった。8月に出された7~9月期の機械受注見通しはプラス2.9%、実績値はプラス5.6%だったので、機械受注の結果も法人企業統計に近い値となっている。ただ機械受注統計では10%程度の強い動きにならないと、GDPにおける設備投資を反転させることはできないので、その意味ではやはり力不足だったのかもしれない。

 機械受注統計における10~12月期の見通しはマイナス0.3%である。一方、船舶や電力を含んだ総額ではプラス4.4%なので、場合によっては大きな落ち込みを回避できる可能性がある。ただし、マイナス傾向が11月以降も変わらなかった場合、10~12月期GDPにおける設備投資は弱い数字となってしまうだろう。

 自律的な景気の拡大は発生していないので、頼みの綱は、円安による企業業績の改善と、原油価格下落による可処分所得の増大ある。
 円安が進展していることで、輸出企業を中心に、来年3月の決算は増収増益が期待できる。原油価格の下落も、一部の業種を除いては、プラスに働くだろう。ただ、企業業績の拡大が、消費の増大に結びつくためには賃上げを待つ必要がある。

 安倍政権は、財界に対して来年の春闘における大幅な賃上げ実施を要請しており、財界もこれを受け入れる方針を示している。だが財界が賃上げを受け入れても、その効果が出てくるまでにはしばらく時間がかかる。当面の景気は厳しい状況が続くだろう。

 - 経済 ,

  関連記事

bouekitoukei201311
日本の貿易赤字がさらに拡大。だがその主な原因は原発停止ではない

 財務省は12月18日、11月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し引いた …

trumporder
トランプ大統領がとうとう日本の為替政策を批判。市場はショックもある意味では想定内

 トランプ米大統領がとうとう日本の為替政策について批判を展開した。これまでの発言 …

jikyu1500en
ファストフード店賃上げデモ。時給1500円要求は高いか安いか?

 ファストフード店などで働く人の賃金アップを求めるデモが2015年4月15日、東 …

hasimoto2
維新の会が驚愕の選挙公約を明らかに。その恐ろしい内容とは?

 日本維新の会の次期衆院選に向けた驚くべき公約案が明らかになった。26日産経新聞 …

eu
EUが経済成長見通しを下方修正。緊縮財政は事実上棚上げか?

 EU(欧州連合)の欧州委員会は5月3日、2013年春の欧州経済見通しを発表した …

citi
100年の歴史を持つシティバンクの個人部門が日本から撤退

 シティグループが国内の個人向け銀行業務を売却する方針であることが明らかとなった …

super02
家計の消費支出は3カ月連続でマイナス。安倍政権は10%増税をどう判断するのか?

 総務省は2014年7月29日、6月の家計調査を発表した。2人以上の世帯の消費支 …

frbieren201407
FRBがとうとう量的緩和を終了。米国経済は完全復活し、今後の焦点は金利へ

 FRB(連邦準備制度理事会)は2014年7月9日、6月のFOMC(連邦公開市場 …

no image
鴻海が超大型液晶TVを格安で販売。シャープ経営陣に対するプレッシャーか?

 台湾の経済日報は、シャープに出資を検討している台湾の鴻海精密工業が、11月、6 …

oecdguria
政府の意向を代弁したOECD事務局長。だが主張する内容は極めて客観的

 政府がOECD(経済協力開発機構)を活用した政策のアナウンスに乗りだしている。 …