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女性の時間あたり賃金に、生産性向上のヒントがあるかもしれない

 

 麻生財務大臣による出産発言によって、安倍政権の女性活用政策に再び注目が集まっている。安倍政権では女性の活用について社会政策ではなく経済政策の一環と位置付けているが、これは成長戦略における生産性向上策と密接に結びついている。

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 賃金構造基本統計調査によると、2013年における男性の月額給与は32万6000円、女性は23万3000円となっている。男性は女性の1.4倍稼いでいることになる。一方、労働力調査によると、男性の月間労働時間(6月)は184時間、女性は140時間である。給与を時間あたりに換算すると、男性は1772円、女性は1664円となり、両者で大差はなくなる。

 女性は労働者の5割が非正規社員で男性は2割にとどまっている。非正規社員の賃金は著しく低く、これが男女の給与格差を生み出している。だが、同額の給料をもらっている男女で比較すれば、女性の方が労働時間が少なくなり、生産性は逆転する可能性が高い。実際、社会生活基本調査ではそのような結果が得られている。

 これを単純な男女対立として見るならば、女性が家事や育児などで仕事を早く切り上げた分、男性社員がこれをカバーしているという解釈になるかもしれない。一方、女性の側からみれば、何とか仕事をやりくりして時間を作り、家事や育児の負担をすべて背負っているということになるだろう。

 だが現実問題として、女性は早く仕事を切り上げることが可能となっており、確保した時間を使って、家事や育児などを行っている。すべての女性が補助的な仕事だけをしているとは考えにくいので、この事実は、工夫次第で男性も含めてもっと短時間で仕事を終わらせることができることを示唆している。
 家庭内での家事負担をどうするかは、それぞれの家庭が決めればよいことだが、生産性を向上させる余地があるのだとすると、少なくとも世帯内の時間的余裕は増えることになる。

 麻生氏は自身の発言について、保育施設の不足など子供を産みたくても産めない状況を問題視する意図であったと釈明している。保育施設の拡充などハード面での子育て支援策は確かに重要だが、それ以上に、大きいのが日本人の働き方の問題である。

 生産性の向上は、賃金の上昇に加えて時間の確保という効果をもたらしてくれる。つまり生産性の向上は、最大の女性活用策であり、子育て支援策でもあるわけだ。長期政権が見えてきた今、安倍政権は日本の生産性向上策に本格的に取り組む必要があるだろう。

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