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衆院選は予想通り与党が圧勝。ただ今後の政治日程が厳しいことに変わりはない

 

 第47回衆議院選挙は大方の予想通り、自民・公明両党の勝利となった。とりあえずアベノミクスは信任ということになり、安倍政権の長期政権化はほぼ確実な情勢となった。当初から分かっていたことだが、今後の政治日程はなかなか厳しい状況にある。安倍政権が今後、どれだけの政治課題をこなせるのかは未知数だ。

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 自民党は、小選挙区で223議席、比例代表で68議席の合計291議席、民主党は、小選挙区で38議席、比例代表で35 議席の合わせて73議席を獲得した。自民は選挙前の295議席から4議席減らし、民主党は逆に11議席増やしている。公明党が4議席増やしているので、与党は結果的に選挙前と同じ326議席を維持した。
 ただ、今回の選挙では、「一票の格差」を是正するため、選挙区定数が「0増5減」となり、衆院の定数が480から475に減らされている。総議席数が減っていることから、与党の占める割合は増加したことになる。
 民主党は議席を増やしているものの、党代表の海江田氏が小選挙区に続いて比例代表でも落選するなど打撃が大きい。アベノミクスは信任ということになり、安倍政権の長期政権化はほぼ確実となった。

 ただ安倍政権が順風満帆の政権運営が可能かというと、必ずしもそうとは限らない。そもそも今回の解散は、今後、厳しい政治日程が続き、支持率低下が予想されることから「今しかない」というタイミングで実施されたものである。次の衆院選は2018年になるので、それまでの間にどれだけの政治日程をこなせるのかが課題となる。

 短期的には年末にとりまとめられる税制改正大綱がひとつの注目点になるだろう。消費増税の延期によって財源が不足する中、法人税減税にどれだけ踏み込むことができるのかで市場の評価は変わってくる。法人税の減税には賛否両論があるが、株式市場は大胆な減税を強く求めている。踏み込みが不十分と認識されれば、確実に株価に影響してくるだろう。

 年が明けると、補正予算に関する議論が本格化する。ここも財源との関係で大判振る舞いができない可能性が高い。安倍政権が掲げる地方創生にどの程度踏み込めるのかが焦点となるだろう。ここでの結果は、4月の統一地方選や原発の再稼働、さらには、その後の安保法制の整備にも影響してくるはずだ。

 現在の状況では、来年には景気がさらに悪化している可能性が高い。経済情勢から国民からの不満が高まってくると、政治日程の消化が難しくなってくる。
 これらは、すべて以前から予想されていたことである。安倍氏は選挙後、憲法改正についても言及したが、憲法改選論議はこれらの政治日程をすべてこなさないと俎上に上らない可能性が高い。安倍氏の悲願といわれる憲法改正へ道筋を付けるにはまだ時間がかかりそうだ。

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