ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

第3次安倍内閣が発足。経済最優先だが、再度の追加緩和頼み?

 

 第3次安倍内閣が本格的なスタートを切った。安倍首相は発足後ただちに財界に対して継続的な賃上げを要請するなど、経済を最優先する意向を示している。30日には法人税改革を含む税制改正大綱を取りまとめる予定だが、減税規模や税源をめぐっては紆余曲折が予想されている。

abenaikaku3ji

 今回の総選挙で与党が勝利したことで、アベノミクスは国民の信任を得た。アベノミクスが継続となることはほぼ確実となったが、現実の政策には手詰まり感が出てきている。

 安倍政権は、量的緩和策によって期待インフレを醸成させることに成功した。だが、インフレ期待は高まったものの、これが消費や設備投資を顕著に増加させるまでには至っていない。安倍首相は、来年度からの法人税減税を何としても実現したい意向であり、30日に取りまとめる税制改正大綱において、おおまかな内容が示される予定となっている。

 法人税が減税されれば、企業活動の活性化には一定の効果があると考えられる。だが一方で、減税の効果を相殺する動きもあり、十分な成果を得られない可能性も指摘されている。そのひとつは賃上げである。

 安倍政権は財界に賃上げを強く求めており、基本的には財界もこれに応じる姿勢を見せている。だが賃上げが進んだ場合、企業の最終的な利益は減少してしまうため、今度は減税の効果が限定的になってしまう。一方で、賃上げの要請を緩めてしまうと、物価の上昇によって実質的な賃下げとなり、国民からの支持が得られなくなってしまう。

 また財政難であることから、代替の財源を確保せずに法人減を減税することは難しく、今のところ外形標準課税の強化や、欠損金の繰越し控除の縮小との抱き合わせが想定されている。赤字法人への課税は個別要因としてはそれなりに意味があるかもしれないが、法人税の減税分を法人への課税で対処するということになると、全体的な効果は限られたものになってしまうだろう。

 足元では原油価格の下落によって物価上昇スピードが鈍化すると予想されている。こうした状況においては、日銀による2度目の追加緩和が具体的な選択肢として議論されてくる可能性が高い。

 一部からは、原油価格の下落を受け、エネルギーを含んだ物価指数を政策目標から外すべきという声も上がっている。だがこれを実施すると中央銀行に対する市場の信頼性が低下してしまう。今のところ現実的な選択肢とはいえないだろう。

 日銀が再度の追加緩和に踏み切れば、さらに円安と株高が進み、物価目標の実現は容易になるかもしれない。だが財界に要請した賃上げ分は、これらによってすべて相殺されてしまう可能性が高い。

 - 政治, 経済 , ,

  関連記事

home03
米国で住宅価格が大幅上昇。実はアベノミクスの強力な助っ人に?

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は4月30日、2月のケース・ …

kenpou
国会の憲法審査会がスタート。だが天皇制や9条をめぐる議論はトンチンカンなものばかり

 衆議院憲法審査会は3月14日、安倍政権発足後初の会合を開き、日本国憲法における …

softbankson02
ソフトバンクの孫社長が後継者を指名。通信事業から再びネット事業に回帰?

 ソフトバンクは2015年5月11日、2015年3月期の決算を発表した。出資する …

lassen ddg82
米駆逐艦の南シナ海航行。妥協点を模索するも、英国が攪乱要因に?

 米海軍の駆逐艦が、中国が埋め立てを行う南シナ海の南沙諸島付近を航行したことで、 …

houjinzei2014
法人減税をめぐって外形標準課税拡大の議論が政府税調でスタート

 法人税減税をめぐって、赤字法人への課税を強化するプランが浮上している。具体的に …

ouyou
総勢180名の財界訪中団が汪洋副首相と会談。だがトップ2との会談は実現せず

 安倍政権発足後、最大規模となる財界訪中団は11月19日、北京市内において汪洋副 …

wallst02
米独の金利が急上昇。とうとう超低金利時代が終了するサインなのか?

 このところ米国と欧州の金利が急上昇している。極限まで進んでいた低金利に対する一 …

linejojo
LINEがいよいよ上場へ。ただし、ベストなタイミングは逸してしまった

 対話アプリのLINEが7月にも東京証券取引所に上場する。親会社である韓国ネイバ …

hoppouryoudo
森元首相がプーチン大統領と会談。北方領土問題における「引き分け」の真意とは?

 森喜朗元首相は21日、安倍首相の特使としてロシアを訪問しプーチン大統領と会談し …

tosho03
公的年金が海外インフラ投資への参入を検討。国内の株式はどうするの?

 日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用指針の …