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仏連続テロに抗議する大規模行進に米国不参加。オバマ政権の外交方針が際立つ

 

 フランスで発生したイスラム過激派テロに抗議する大規模行進が2015年1月11日、パリ市内で行われた。フランスのオランド大統領、ドイツのメルケル首相など各国首脳が参加したが、米国首脳は参加しなかった。

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 行進は同日の午後3時、2000人以上の警察官を動員した厳戒態勢の中、パリ市内の共和国広場からスタートした。仏政府によると、参加者は370万人以上としている。
 行進には、オランド大統領をはじめとするフランス政府の首脳に加え、メルケル独首相、キャメロン英首相、ラホイ・スペイン首相など各国のトップが顔を揃えた。またパレスチナ自治政府のアッバス議長や、対立関係にあるイスラエルのネタニヤフ首相も参加した。

 海外メディアで話題になっているのは、この場にオバマ大統領をはじめ、米国首脳が一人もいないことである。行進が行われた日は休日であることから、オバマ大統領に公務の予定は入っていなかったが、ホワイトハウスからは出ていないという。ホワイトハウスの報道官は、大統領は参加を希望したが、警備上の理由から見送ったと説明している。

 米国大統領の警護は他国とは比較にならないほど厳重といわれており、こうした不特定多数の人物が参加するデモ行進への参加については警備当局が難色を示す可能性が高い。ただ、ケリー国務長官も参加していないことや、当日、フランスに滞在していたホルダー司法長官も参加せず、駐仏大使のみが参加したという事実を考えると、基本的に米国政府は参加に消極的であることが分かる。

 オバマ大統領は、就任以来一貫して、中東問題について干渉せず、一定の距離を置く外交政策を展開してきた。シリア問題やイスラム国問題についても極めて消極的であり、議会や軍からの強い要請で空爆など限定的なオペレーションに踏み切ったという経緯がある。

 背景には、国際問題に対してほとんど興味を示さなくなった米国世論がある。以前と異なり、米国人の国際問題に対する関心は低下の一途を辿っており、ピューリサーチセンターが最近行った世論調査では、過半数の米国人が「米国は自国のことだけを考えればよく、他国に介入すべきではない」と回答している。

 かつては、米国が強大な軍事力を背景に、世界各国の問題に過剰に干渉し批判を浴びてきた。しかし最近では、米国があまりにも他国の問題に冷淡であることに対して批判が集まっている。こうした米国の消極的姿勢は、少なくともオバマ政権の任期が終了するまで確実に継続するだろう。

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