ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

野田首相が最悪のタイミングで解散を決断。憲政史上もっとも幼稚な解散の一つに

 

 首相の解散権は「伝家の宝刀」と呼ばれ、首相の専権事項であり、首相の権力の源泉でもある。首相が権力を保持することができるのは、誰にも相談することなく、解散の日程を決めることができるからだ。解散の時期を明示せず、突如解散を発表することで、政局をリードすることができるのである。

 野田総理の今回の解散は、突然だっただけに永田町では驚きをもって受け止められているが、それは別の意味での驚きである。解散権と言う「伝家の宝刀」を持ちながら、ここまで最悪のタイミングでしか解散ができない野田首相の器のなさに対する驚きである。
 これは、安倍元総理の政権投げ出し事件に引き続いて、日本の憲政史上、もっとも幼稚な出来事のひとつとして後々まで語られることになるかもしれない。

 首相周辺の話を総合すると、首相が解散を決断した最大の理由は「近いうちに解散」と口をすべらせてしまったので引っ込みがつかなくなった」(永田町関係者)からだという。
 民主党内では来年夏の衆参同日選という前提でスケジュールが組まれていた。国民への信頼云々はさておき、確実に負けが予測できるタイミングでの解散は現実的な選択肢としてあり得ないからだ。その証拠に、選挙のすべてに責任を負う幹事長は、衆院選とは関係ない参議院の輿石氏である。

 首相本人は、議員の定数是正と引き換えに「刺し違えた」つもりらしく、解散を表明した国会答弁でも異様に力がこもっていた。だが定数是正は刺し違えて解散するような政治イシューではなく、完全にスベってしまっている。

 思いつきでしゃべったことの引っ込みが付かなくなり、追い込まれても決断ができず、時間だけが経過し、最後は精神論が登場して破れかぶれの決断をする。日本のダメ組織の典型的な負けパターンである(太平洋戦争の時もおそらく同じ状態だったのだろう)。
 最近過度の飲酒で呂律が回らなくなっていた野田首相だが、もはや正常な判断能力を失っているのかもしれない。政権末期の菅首相も不眠が続き、突如奇声を発するなど異様な行動が目立っていた。

 ただし、正常な判断を失っていることにも1%の利点はある。物事を比較的合理的に考えていた維新の会などの第三極政党は、解散はまだ先と考えていたからだ。維新側は、野田首相は他の民主党の政治家よりも実務肌で常識的判断をすると考えていたフシがある。「このタイミングでの選挙は正直言って準備不足」と漏らす関係者もいる。

 ともかく、総選挙は来月12日投票で決定した。すでに永田町周辺では自民党の安倍総裁が首相になれるのかどうかについて関心が移っている。

 - 政治

  関連記事

kokkaigijido02
憲法改正の手続きを定めた国民投票法が審議入り。各党の思惑が絡んで議論は複雑

 憲法改正のための具体的な手続きを定めた国民投票法(日本国憲法の改正手続に関する …

hinomaru
愛国心に関する内閣府の調査。日本が豊かになると低下し、貧しくなると上昇する

 内閣府は3月30日、社会意識に関する世論調査の結果を発表した。この中で愛国心が …

mof02
木下主計局長が次官に内定。今後の財務省人事を大胆に予想すると?

【本記事は2013年6月13日のものです。財務省の最新の人事情報記事はこちらです …

cameronpanama
パナマ文書を巡り、英キャメロン首相が自らの納税情報を公開。給料は意外に安かった

 パナマから流出したタックスヘイブン(租税回避地)関連文書、いわゆるパナマ文書を …

nitigin
皆さん!中央銀行の独立性について根本的に誤解していませんか?

 2~3%の高いインフレ目標の設定と、日銀による国債引き受けに言及した自民党の安 …

murayamakato
村山元首相と加藤元幹事長が中国を訪問。元気満々な村山氏と足元がフラつく加藤氏

 親中国派の政治家として知られている村山富市元首相と加藤紘一元自民党幹事長が28 …

okane
欧州で権力者の「お金」に関する不正が次々と発覚。欧州は日本と同様、本音と建前の国

 経済危機が続く欧州において、金融取引をめぐる本音と建前の乖離がさらに顕著になっ …

no image
企業の倒産件数が激減。だがそれは、銀行のあたらな時限爆弾に過ぎない

 銀行の過剰な国債保有が懸念されている中、銀行のあたらたな時限爆弾の存在が明らか …

kougousama
民主主義の大切さを訴えた皇后陛下による異例の発言をどう解釈すべきか?

 このところ、皇室と民主政治をめぐって、これまでにはなかったような出来事が相次い …

kaigosisetu
特養の規制を都市部で一部緩和。だが介護政策における根本的矛盾は解消されず

 厚生労働省が特別養護老人ホーム(特養)に関する規制を都市部に限って緩和する方向 …