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2015年度予算は過去最大だが、歳出抑制に向けて舵を切り始めた内容

 

 政府は2015年1月14日、2015年度予算案を閣議決定した。予算総額は過去最大となっているが、税収は前年より増加しており、国債への依存度は低下している。

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 一般会計の総額は4596億円増加し、過去最大の96兆3420億円となった。高齢化による社会保障費の増加が主な要因。ただ、企業の業績向上などによって、税収は2014年度より4兆5240億円増えている。税収の伸びに比べて、歳出を抑制したことから、国債発行額は4兆3870億円減少した。国債への依存度は低下している(すべて当初予算ベース)。

 歳出のうち、最も多いのは社会保障費で31兆5297億円にのぼる。高齢化に伴い、年金や医療への支出が約1兆円、率にして3.3%の増加となった。防衛費は2%増の4兆9801億円、公共事業費はほぼ横ばいの5兆9711億円、借金の返済や利払いに充てる国債費も横ばいの23兆4507億円となった。

 一方、文教費や地方交付税交付金など、上記以外の予算は軒並みマイナスとなっている。社会保障費は裁量でコントロールできない部分が多いことを考えると、全体としてみれば、防衛費以外については、財政再建、特に基礎的財政収支の改善を最優先した予算と考えることができる。社会保障費についても、今年から年金のマクロ経済スライド制が発動され、年金額の抑制が始まる。基本的には財政再建路線が強くなる可能性が高い。
 これによって、2015年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を2010年度から半減(GDP比)するという政府目標は達成できる見通しとなった。

 2014年度の予算編成は、消費税の増税が最終決定していなかったことから、税収がいくらになるのか正確に見積もることができない中で実施された。このため、前年度の実績額の90%を基準額としてまず要求を行い、それにプラスする形で、成長戦略や地方創生に重点配分するための要望額を提出できる方式が採用された。2015年度予算も基本的には昨年度と同じ方法が踏襲されている。

 このため、各省は要望額として要求額の30%を上限として、目一杯まで金額を積み上げる形となった。概算要求総額は100兆円を突破していたが、最終的には要求額から4兆円近くも減額された。
 大型予算であることに変わりはないが、これまで基本的に歳出拡大が当たり前であった予算編成の流れが変わったことは事実である。これはウラを返せば、財務省が財政問題についてかなり深刻に考え始めた証拠であるともいえる。

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