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政府が金利上昇対策に本腰。国債発行総額の抑制と超長期債へのシフトが進む

 

 政府が金利上昇に備えた動きを加速させている。財務省は2015年1月14日、2015年度国債発行計画を策定したが、金利上昇の影響を受けにくい超長期債へシフトする方向性が明確になった。

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 現在、日銀の量的緩和策によって大量の国債が買われていることから、金利は極めて低い水準に抑制されている。しかし、これは国債価格が極限まで上昇していることを意味しており、この状態を長く続けることはできない。どこかのタイミングで債券が下落し、金利が上昇する局面がやってくる。

 政府は同日、2015年度予算案を閣議決定したが、税収が約60兆円なのに対して、国債の利払いは10兆円に達する。金利が急騰してしまうと、利払い費が急増し、財政を圧迫することは目に見えている。
 もっとも、金利が上がったからといってすぐに利払い費が急増するわけではない。新しく発行する国債については高い金利となるが、発行済みのものについては、償還されて新しい国債に借り換えが進むまでは金利上昇の影響を受けずに済む。つまり、長期債の割合を増やしていけば、金利上昇の影響が及ぶスピードを低下させることができる。財務省が長期債の割合を増やしているのはそのためである。

  2015年度の新規国債発行額は36兆8630億円と、前年度に比べて4兆3870億円も減少した。これは2015年度予算案において、税収が増えた分を支出増に回さず、財政再建を優先させたからである。
 一方、既存の国債に借り換え分については、116兆2986億円となっており、こちらも前年度よりも5兆8509億円減少している。この結果国債発行総額は前年度より11兆5147億円少ない、170兆241億円となった(いずれも当初計画ベース)。

  あらたに発行する国債は超長期債の割合を増加させ、全体の平均償還年月を前年度より7カ月長い9年0カ月とした。2007年時点では7年0カ月だったので、2年も延びたことになる。

 もっとも長期債の割合を増やしたからといって、金利上昇の影響を完全に排除できるわけではない。長期債のほとんどは日銀が買い入れており、最終的に金利上昇のリスクは日銀が追うことになる。
 ただ、一定の時間稼ぎができることは事実であり、その間に、財政再建への道筋をどれだけ示せるのかが試されることになる。

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