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増やすも地獄、減らすも地獄。年金財政は袋小路に入りつつある

 

 年金制度改革が袋小路に入り込んでいる。年金の国庫負担増額のメドが立たないことから、保険料の増額が難しくなりつつある。年金財政を改善するには、給付を減らすしかないが、一方的な給付削減には反対意見も多くハードルが高い。

nenkintecho

  厚生労働省は2015年1月21日、社会保障審議会の年金部会を開き、公的年金制度改革の報告書をまとめた。詳細な内容は明らかではないが、報道によると、保険料の納付期間を5年延ばして65歳までにする案は先送りとなった。給付額増加に見合う国庫負担のメドが立たないことが原因である。

 一方、人口動態などに応じて物価が上がっても給付額を抑制するマクロ経済スライド制がスタートしており、給付額の抑制はすでに始まっている。ただ、物価が実際に下落した場合には、発動を少なくとも1年間凍結ことが検討されており、抑制効果がどの程度になるのかは不透明だ。

 年金財政を改善させるためには、「入」の部分である保険料収入を増やすか、「出」の部分である給付水準を抑制する必要がある。しかし、年金がいきなり減額されてしまうと、生活が破たんしてしまう人が少なくないことから、両方を徐々に進めていくしか方法はない。

 日本では高齢化が進んでいるため、年金の給付額が増える傾向にある。保険料を納める期間を65歳まで延長して「入り」を確保し、とりあえず給付額を増やすというやり方が検討されてきた。しかし給付額を増やしてしまうと、国庫負担も同時に増えてしまうという問題があり、実現が難しくなっている。年金そのものの問題ではなく、政府の予算の制約上、給付額を増やせないという状況が発生しているのだ。

 一方的に給付額を削減することは受給者からの反発が大きく、実現には困難を伴う。一度は決定したマクロ経済スライド制の要件緩和が検討されているのは、こうした声に配慮してのことと考えられる。

 保険料の増額も、大幅な支出抑制も難しいという状況であり、年金財政はかなり行き詰まっている。本来は抜本的な制度改革が必要なところだが、現在の政治情勢ではそれも難しい。2015年度予算は、高齢化による自然増で社会保障費だけが大幅増となった。年金の国庫負担がいよいよ財政問題の足かせとなりつつある。

 - 政治, 社会 ,

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