ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

革命家チェ・ゲバラを崇拝するギリシャの青年首相は欧州に何をもたらすか

 

 ギリシャの議会選挙で圧倒的な勝利を収めた急進左派連合のチプラス党首は2015年1月26日、首相に就任した。これからEUとの債務削減交渉が本格化することになる。

girishashusho

 ギリシャ議会の定数は300議席で、急進左派連合は149席を獲得した。単独過半数には2議席足りなかったことから、急進左派連合と同様、反緊縮を掲げる右派の保守政党「独立ギリシャ人」と連立を組むことで合意した。左派と右派の連立は異例だが、反緊縮を再優先した形だ。

 チプラス氏は、組閣要請を受けるためパプリアス大統領と会談し、その後、大統領府で宣誓式が行われた。チプラス氏はもともと共産主義者で、キューバの革命家チェ・ゲバラ氏を崇拝している。政治スタイルも独特であることから、異例ずくめの首相就任となった。

 ギリシャ正教の影響力が強い同国では、首相に就任した人物がギリシャ正教会から祝福を受けるのが慣習となっている。チプラス氏は当然、無神論者であることから、聖職者との会談は行ったものの、祝福は拒否した。
 また、チプラス氏は、庶民の代表であることを強く意識しており、基本的にどのような場所でもノーネクタイで通している。大統領との会談も、やはりノーネクタイであった。妻と子供がいるが、事実婚となっており、公の場に姿を見せることは少ない。

 ギリシャの経済規模は小さく、債務問題に対処するためのプログラムもすでに整備されている。仮にEUとギリシャの交渉が決裂して、ギリシャがユーロ圏を離脱することになっても、市場への影響はごくわずかと考えられる。

 だが、弱冠40歳の左派首相が誕生し、EUの政策にノーを突きつけたという事実は、政治の分野には大きなインパクトとなりそうだ。ギリシャは共和制移行後、政治が安定せず、1960年代後半には軍によるクーデターが発生し、一時期は軍事政権となった。
 軍事政権崩壊後、ようやく中道路線が復活し、ユーロへの参加を果たしたが、今度は、急進左派連合が政権を獲得する結果となった。しかも連立を組むのは正反対な思想を持つ保守政党である。

 軍事政権から左派政権というギリシャの動きは、極端ではあるものの、欧州が抱える、政治的雰囲気を体現しているともいえる。根底にはEU官僚に代表されるようなイスタブリッシュメントと、非イスタブリッシュメントの根深い対立がある。場合によっては、欧州各国で反EU的な政治活動が活発化することになるかもしれない。

 - 政治 , , ,

  関連記事

hasimoto2
橋下氏が石原氏とたちあがれの分断工作を開始。石原氏最大の弱点が露呈!

 次期衆院選を控えた「第三極」勢力の結集をめぐって、橋下徹大阪市長による「たちあ …

senkaku
中国が南シナ海で実力行使を宣言。尖閣諸島ではそうしない理由

 中国の国営新華社通信は29日、南シナ海で中国が領有権を主張する海域に入ってきた …

frbpauerugicho
FRB次期議長は予想通りパウエル氏。現行路線の踏襲に規制緩和が加わって株高に?

 FRB(連邦準備制度理事会)の次期議長にジェローム・パウエルFRB理事が指名さ …

nenkintecho
国民年金納付率が向上。だが実態は督促の強化と、給付対象者の減少

 厚生労働省は2014年6月23日、2013年度の国民年金の納付状況について公表 …

shukinpei07
習政権の腐敗撲滅運動。国営企業の報酬や党幹部の学歴にもメス

 中国で習近平指導部による腐敗撲滅運動がさらに激しくなっている。好待遇で批判の的 …

algeriagas02
アルジェリア軍が最終攻撃を行い人質が多数死亡。国によって異なる人質に対する考え方

 イスラム武装勢力による天然ガス施設の人質事件で、アルジェリア軍は19日、最終攻 …

okane
欧州で権力者の「お金」に関する不正が次々と発覚。欧州は日本と同様、本音と建前の国

 経済危機が続く欧州において、金融取引をめぐる本音と建前の乖離がさらに顕著になっ …

gillade
中国が今度は豪の諜報機関をハッキング?だが政府首脳は中国擁護に必死

 オーストラリア放送協会(ABC)は5月27日、中国のハッカー集団が、建設中のオ …

sirakawajinin
日銀の白川総裁が任期を残して辞任表明。これ以上の譲歩を避ける狙いか

 日銀の白川総裁は2月5日、安倍首相と官邸で会談し、4月8日の任期を待たず、3月 …

benedict16
存命中の退位は700年ぶり。ローマ法王ベネディクト16世、突如退位の謎

 バチカン(ローマ法王庁)は11日、ローマ法王ベネディクト16世が高齢を理由に退 …