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粗悪品の出品をめぐり中国当局とアリババが対立。やはりチャイナ・リスクは存在

 

 中国の電子商取引最大手アリババ・グループは2015年1月29日、2014年10~12月期の決算を発表した。流通総額が大幅に拡大し増収となったが、コストが増大し、利益の伸びは限定的だった。粗悪品の販売をめぐる中国当局との対立もあり、市場には不透明感が広がっている。

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 同社の売上高は前年同期比40%増の261億7900万元(約4950億円)、営業利益は同6.2%増の93億4700万元(約1767億円だった。原価や開発費、管理費などコストが大幅に増加し、利益の伸びを抑制した。当期利益については税負担の増加などもあり、前期比でマイナスとなっている。

 一方、同社がサイトで取り扱う商品の流通総額は7870億元と前年同期比で49%の増加となっている。流通総額の伸びに比べて売上高の伸びが小さいことや、全般的なコスト増加など、経営効率が低下する傾向がみられる。従来のような破竹の勢いでの成長が持続できるのか、不安視する投資家も出てきている。

 また同社には、中国政府との衝突という別のリスク要因も浮上している。中国の国家工商行政管理総局は、アリババ・グループのサイト「淘宝網(タオバオ)」で粗悪品や模倣品の販売が横行しており、出店者3社を営業停止処分にするという調査結果を発表した。
 だが、指摘を受けた出店者は、調査の方法がずさんだとして、ネット上に声明文を出し、当局に反論するという事態になっている。当局は11月11日に抜き打ちの調査を行い、いくつかの商品が粗悪品だったとしている。だが出店者側は、指摘を受けた3つのロットのうち、1つはメーカーから直接仕入れたものであり、もう一つは販売をしていないと主張している。またアリババも粗悪品対策は十分に実施しているとして反論している。

 双方の指摘が食い違っているため、実態は不明だが、決算の結果が今ひとつだった状態に、このニュースが加わったことから、投資家の一部は今後の業績を不安視している。
 中国における電子商取引が今後も拡大することは間違いない。だが一方で、中国企業には常に国家権力というリスク要因が存在してきたことも事実である。それは米国に上場したアリババであっても同じことである。今回の決算は、アリババが中国企業であることをあらためて実感させる結果となった。

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