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オバマ政権が打ち出した海外利益課税策。米企業の立地戦略はどうなる?

 

 オバマ政権が打ち出した企業の海外利益に対する課税策が米国内で議論となっている。日本では法人税の減税が行われている最中だが、米国での論議は、企業の競争力と税金の関係について多くの示唆を与えてくれる。

 kyosho201502 米国は主要国の中で、突出して法人税が高いことで知られている。日本の法人税の実効税率は35%程度なのに対して米国は40%以上である。しかも、米国は原則として、自国企業が海外で得た利益に対してもすべて課税するというシステムとなっており、容赦なく税金が徴収される。海外で得た利益には原則課税されない日本とは大きく状況が異なっている。
 米国市場はビジネスにとって最高の環境なので、税率が高いことが企業活動の妨げにはなっていない。ただ、海外の利益に対してすべて課税してしまうと、企業の負担があまりにも重くなるため、実際には海外から本国に送金した時に課税される仕組みになっており、課税が猶予されているというのが実態である。

 このため米国企業は米国内に利益を貯め込まず、海外に流出させるようになっている。アップルは、現在、20兆円ほどの現金(もしくはそれに類する証券など)を保有しているが、そのうち約9割が海外にある。利益還流に伴う課税を避けるため、資金を海外に蓄積しているのだ。米国政府からみれば、本来徴収できる税金が確保できないということになる。

 オバマ大統領は、2015年1月20日に行った一般教書演説において、中間層の生活水準向上のため、2年制大学の無償化などのプランを打ち出し、財源として、企業の海外課税強化を盛り込んだ。
 具体的には、海外の利益に対しては19%を課税するが、これを国内に戻して再投資する場合には14%の税率にとどめるというものである。本来であれば、高い税率となるところを14%で国内に還流可能ということになると、これに応じる企業は少なくないと考えられる。

 当然のことながら、このプランに対しては共和党が猛反発しており、実現するかは不透明である。今回は1回限りで14%の課税ということだが、問題は米国が今後、海外課税についてどのような方向性を打ち出していくのかである。
 欧州や日本が海外の利益には課税しないという方針の中、米国だけが課税にこだわっていると、さすがに米国企業の中にも本社移転を真剣に検討するところが出てくるかもしれない。

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