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フランスで規制改革法案を大統領が強行採択。規制でがんじがらめの姿はまさに日本

 

 フランスで規制緩和の法案をめぐって議会が紛糾している。オランド大統領が提出した規制改革法案に対して与党の社会党も反対に回ることになり、大統領は2015年2月17日、憲法第49条3項に基づき国民議会(下院)での評決を経ることなくこの法案を強行に採択した。
 採択した法案の内容は、商店の日曜営業の是非など、規制緩和といってもかなり悠長なもの。フランスは低インフレと低成長に悩まされており、一部からは完全に日本化しているとの声も聞かれる。既得権益にがんじがらめとなり、身動きが取れない様はまさに日本と共通だ。

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 フランスは革命で成立した共和制の国であることから、行政府の権限がかなり強い。公務員や労働組合が大きな力を持っており、大企業の多くが政府によって国有化されている。このような組織に属する正社員はかなり手厚い待遇で雇用が守られる一方、非正規社員や移民などは苦しい立場に置かれている。
 フランスの2014年12月の失業率は10.3%と過去最悪の水準となっているが、割を食っているのが若年層である。若年層の失業率は何と25%を超えており、低下する気配がない。

 同じくユーロ圏のリーダーであるドイツは、米国とは一線を画しながらも徹底した競争主義を導入。最近はインフレ率が低下しているものの、しばらくの間、高成長と驚異的な低失業率を実現してきた。ドイツとの格差を目の当たりにして、フランスでは競争政策の導入が何度も議論されてきたが、各方面の抵抗が大きくなかなか実現しなかった。

 もっとも象徴的なのが、商店の日曜営業規制である。現在フランスでは商店の日曜営業が制限されているが、シャンゼリゼ通りなど観光客が殺到するエリアでは莫大な機会損失となっている。このため大規模小売店の一部では日曜営業に踏み切るところが出てきている。だがこうした動きに労働組合が猛反発。国論を二分する論争となっている。

 オランド大統領は、社会党でリベラルな人物だが、一定の規制緩和は必要という立場を取っている。昨年の内閣改造では、ドイツ主導の緊縮財政路線を批判したモントブール経済相を更迭。新しい経財相に投資銀行出身のマクロン氏を起用した。
 マクロン氏は、日曜営業やバス路線の規制緩和を盛り込んだ規制改革法案(通称マクロン法案)をとりまとめ、議会に提出した。しかし、与党の社会党から猛反発を受け、法案の成立が危ぶまれたことから、結局、大統領の特権を使って、強行に法案を採択する結果となっている。

 かつてフランスは、公務員主導の国ということで、よく日本と対比された。合理主義に基づいた国家統制的な経済運営は日本では高く評価されたが、結局のところ、日本と同じ道を辿ることになった。
 グローバル化が進み、価値観が多様化している現代においては、統制的な計画経済は市場の変化に追い付くことができない。欧州問題はギリシャやスペインといった南欧諸国の債務問題がクローズアップされているが、フランスのような大国が制度疲労を起こしているという側面も無視できない。

 景気低迷の原因をよく理解していながらも、改革を実行に移せない姿は、日本と非常によく似ている。アベノミクス第3の矢がこのまま不調に終わってしまうことになると、日本とフランスはさらに状況が近くなってしまうかもしれない。

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