ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

安倍首相が米議会で演説するプランが浮上。ポスト・オバマに向けた動きが活発化

 

 安倍首相が大型連休中の訪米時に、米議会で演説するというプランが浮上している。もし実現すれば、1961年に池田勇人首相が演説を行って以来、54年ぶりとなる。背景にはオバマ政権が末期を迎えており、議会を中心にポスト・オバマに向けた動きが活発化していることがある。

abekaisan20141119

 ここ数年、米国のアジア太平洋地域における最重要課題は中国であり、日本の重要性は相対的に急低下していた。特にオバマ政権はその傾向が強く、日本を米国の重要な同盟国とみなす姿勢は示してこなかった。

 安倍政権が中国との対決姿勢を強めたこともこれに拍車をかけたと考えられる。オバマ政権にとっては、中国との交渉が最優先であり、日本が中国といたずらに対立することは、交渉の邪魔でしかないという認識だった可能性が高い。2013年2月に安倍氏が訪米した際は、夕食会も開催されず、かなり事務的な内容に終始している。

 だが、オバマ政権の任期があと2年となり、ワシントンでは次の政権に向けた水面下の動きが活発化している。特に野党共和党は、対オバマ政権という観点から日本へのアプローチを強めている。
 中東の過激派組織イスラム国による日本人人質殺害事件のきっかけになったともいわれる、イスラエルに対する支援プログラムについても、共和党からの積極的な働きかけがあったとする見方もある。民主党の内部でも、次期大統領選挙をめぐって人事が動き始めており、今回の議会演説もこうした文脈で捉えた方がよさそうである。

 日本の首相が米国で議会演説ということになると、当然、政治的な課題について事前に交渉が行われることになる。争点となるのは、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)、日本の安保法制の整備、日本の歴史認識問題、などが考えられる。これらの課題がどのように動いていくのかで、米国側の意向がよりはっきりしてくるだろう。

 日本は米国と中国に挟まれた状態であり、現在の日本の経済力や政治力では、アジア太平地域において強いリーダーシップを発揮するのは困難である。米国側の日本の対する関心が高まっているということは、再び,米国主導で日本の外交が動き始めることを意味している。
 今年はアジア太平地域の地政学的な状況にも変化が出てくるかもしれない。

 - 政治 , , ,

  関連記事

abetoben
成長戦略の内容が徐々に明らかに。目新しさに欠け、市場が失望する可能性も

 政府が6月にまとめる成長戦略の内容が徐々に明らかになってきた。設備投資の促進、 …

runesasu003
日本市場の公平性に重大な悪影響!ルネサスのハチャメチャ出資計画がまとまる

 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスに対する政府系ファンドの出資計画 …

yukihatoyama
鳩山氏の暴走で浮き彫りになる、日本人にとっての「法の支配」

 クリミアを訪問中の鳩山由紀夫元首相は2015年3月12日、旅券を返納させるべき …

obamaorando2014
オランド仏大統領が訪米。事実婚解消による単身渡米で盛り上がりは今ひとつ

 フランスのオランド大統領は2014年2月11日、米国を訪問しオバマ大統領と首脳 …

bankofhina
中国当局が国営放送を使って中国銀行の海外送金サービスを糾弾している背景

 中国の国営放送局である中国中央テレビ(CCTV)が、中国有数の銀行である中国銀 …

no image
外務次官が尖閣問題妥結を目指して中国を訪問。官僚主導の交渉では確実に負ける

 尖閣問題の解決に向けて、事務レベルでの折衝が始まっている。  人民日報系の環球 …

tanbo
JA全中が農協改革案を受け入れ。今後は農業従事者のサラリーマン化が進む?

 JA全中(全国農業協同組合中央会)は2015年2月9日、政府・与党がまとめた農 …

berurusukoni
イタリアの暴れん坊ベルルスコーニ元首相が「欧州危機はドイツの陰謀」と絶叫!

 「イタリアの暴れん坊」「イタリアの種馬」といった異名を持つベルルスコーニ元首相 …

hasimoto2
橋下氏が石原氏とたちあがれの分断工作を開始。石原氏最大の弱点が露呈!

 次期衆院選を控えた「第三極」勢力の結集をめぐって、橋下徹大阪市長による「たちあ …

okane
キプロスの預金没収で脳裏によぎったのは、日本における「預金封鎖」と「財産税」

 ユーロ圏がキプロスに対して行った銀行預金に対する最大約10%の課徴金徴収につい …