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ネタニヤフ首相が共和党の招きで議会演説。オバマ大統領は会談拒否

 

 イスラエルのネタニヤフ首相は2015年3月3日、米議会で演説し、オバマ政権が進めるイランとの協議について、「核開発を阻止することはできない」として強く牽制した。
 ネタニヤフ首相の訪米と議会演説は、ホワイトハウスは関与しておらず、共和党を中心に議会が一方的にアレンジした。オバマ政権とイスラエルの関係がさらに冷え込むことは必至だ。

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 米国はイスラエルの建国以来、一貫して同国を支持してきた。しかし、湾岸戦争以後、中東の問題をうまくコントロールできなかったこともあり、米国内では中東問題に関与すべきではないという世論が徐々に高まってきた。経済再生を掲げるオバマ政権は特にその傾向が強く、シリア内戦やイスラム国問題などについても、常に消極的なスタンスだった。また独自の核開発を進めるイランに対しても交渉で解決しようとしている。

 これに対して不満を募らせているのがイスラエルである。イスラエルは米国からの強力な支援がなければ中東で孤立してしまう。このため、米国に対しては、常にアラブ諸国に対して強硬な姿勢を取るよう求めてきた。中東から距離を置こうとするオバマ政権は、イスラエルにとっては望ましくない政権ということになる。

 米国内でも野党共和党を中心に、中東への軍事的関与の強化を望む声があり、今回の訪米と議会演説はこうした声に押されて実施されたものである。

 オバマ政権は今回の訪米に不快感を示しており、ネタニヤフ首相とは会談せず、議会演説においても民主党の議員約60名が欠席した。
  米国内でも意見対立がある中、わざわざオバマ政権との関係を悪化させる行動に出たのは、17日に行われるイスラエルの議会選挙という事情がある。アラブ諸国に対する強硬的な姿勢を強調し、選挙を有利に進めようという作戦である。

 これまで米国のユダヤ系団体は基本的にイスラエルの政策を支持してきたが、今回は必ずしもそうではないようだ。米国の有力メディアに「イランとの対立は望まない」というユダヤ系団体による意見広告が出るなど、ネタニヤフ支持で一致団結しているわけではない。またイスラエルの野党も今回の議会演説に懸念を表明している。

 ただ、ネタニヤフ氏は、米国のコンサルティング企業での勤務経験があり、プレゼンテーション能力が高いことで知られている。今回の演説も一定の説得力を持った可能性が高く、場合によっては米国内の雰囲気が変わる可能性もある。オバマ政権は今後、より難しい中東政策を強いられることになるだろう。

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