ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

企業の現金保有がさらに増加。融資は伸びておらず、企業は自己資金をフル活用

 

 日本企業の現金保有残高がさらに増加している。基本的には企業の利益率向上が主な要因となっており、銀行の融資はそれほど伸びていない。大手企業を中心に自己資金をフル活用している様子がうかがえる。

setsubitousi

 財務省が2015年3月2日に発表した2014年10~12月期における法人企業統計によると、企業が保有する現預金は前年同期比10.8%増の164兆7400億円だった。内部留保の半分が現預金となっており、資金が遊んでいる状況である。売上高に対する現預金の割合も、バブル期に匹敵する水準で、歴史的に見てもかなり高い。

 日本企業の現金保有が増加しているのは、企業の利益率が向上しているからである。10~12月期の経常利益は前年同期比11.6%増の18兆651億円となり、過去最高額だった。
 もっとも、利益から得られるキャッシュだけで増加分をすべてカバーしているわけではない。ゆっくりとしたペースではあるが、固定資産の売却や有価証券の売却など、スリム化を進めていった結果、現預金の割合が増えてきたという側面も否定できないだろう。
 大企業については、資産売却は一段落しており、むしろ固定資産などは増加傾向にある。だが中小企業では、昨年も資産売却が続いており、資産を現金に変える動きが継続している。

 一方、現金の使い道については、これまでと同様、大きな動きは見られない。企業の設備投資金額は前年同期比2.8%増の9兆7000億円にとどまっている。また借入金も短期が1.9%、長期が0.8%しか増えておらず、融資があまり伸びていないことが分かる。基本的に企業は自己資金の中で設備投資を行っている計算になる。

 特に中小企業については、長期借入金が大幅に減少しており、その代わりに金融機関以外からの短期融資が増えている。オーナーが個人的に貸し付けているか、親会社や取引先からの支援である可能性が高く、資金繰りが良くなっているわけではない。

 この四半期の現預金の伸びは特に高くなっているが、未払いの税金など特殊要因の可能性もある。ただ基本的には利益率の向上に伴って現預金は増える傾向にあり、目立った設備投資先が見つからない現状では、しばらくの間、この傾向が続くだろう。

 - 経済 , ,

  関連記事

toshiba03
東芝がようやく決算を発表。だが根本的な問題は何も解決していない

 不正会計問題で決算発表を延期していた東芝は2015年9月7日、2015年3月期 …

gold04
スイスが中央銀行保有資産の2割を金にするという国民投票を実施。現実性は?

 中央銀行が持つ資産の少なくとも20%を金で保有することを問う、スイスの国民投票 …

jinmingen
中国が事実上の通貨切り下げ。米国以外はすべて大規模緩和状態へ

 中国の中央銀行にあたる中国人民銀行は、対ドル為替レートの「基準値」の算出方法を …

toyota02
トヨタの中間決算は絶好調。単なる円安効果なのか、本質的なカイゼンなのか?

 トヨタ自動車は11月6日、2013年4月~9月期の決算(中間決算)を発表した。 …

spiritair
海外ではLCCを超えるスーパーLCCが大躍進。利用者の選択肢が広がる

 米国でLCC(格安航空会社)のさらに上をいく、超格安航空会社が躍進している。フ …

jdiishikawa
政府がジャパンディスプレイの株売却を示唆。資金繰り悪化との報道も

 政府が全面的に支援している日の丸液晶メーカー・ジャパンディスプレイ(JDI)の …

jinmingen
IMFが特別引出権(SDR)に人民元を採用。英国の全面支援が決め手?

 IMF(国際通貨基金)は、11月にも特別引き出し権(SDR)と呼ばれる準備通貨 …

bouekitoukei201312
12月の貿易赤字はさらに拡大。慢性的な経常赤字に備えた政策が急務

 財務省は2014年1月27日、2013年12月の貿易統計を発表した。輸出額から …

mof
2014年度概算要求がまとまる。景気対策費3.5兆円と国債費急増で財政再建が遠のく

 財務省は9月4日、2014年度予算の概算要求額を公表した。一般会計は昨年度を6 …

no image
ドイツでは東欧やアジアなど外国の格安介護施設が大人気

 日本と同じく高齢化が進むドイツで、物価の安い東欧諸国やアジアの介護施設に入居す …