ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

株式市場で圧倒的な存在感を示す公的年金。まだまだ買い余力はあるが・・・

 

 株式市場における公的年金の存在感が大きくなっている。債券から株式へのポートフォリオ変更が主な要因だが、当初の想定を超えるペースで株式シフトが進んでいる。

 gpifpotofori2015 安倍政権は、今後インフレが進行する可能性があることから、公的年金の運用方針の見直しを積極的に進めてきた。2014年10月にまとまった新しい運用方 針では、国債の比率が60%から35%に低下する一方、国内株の比率は12%から25%に増加している。外国株を合わせると株式の比率は50%にもなる。

 だが実際には、新しい指針が発表される前から、すでに株式シフトが始まっていた。株式市場では、公的年金と思われる継続的な買い注文が増えていたことから、官製相場を指摘する声があったが、実際、その通りであった。

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)における2014年3月末の株式保有残高は約21兆円だった。だが6月末には約22兆円に、9月末には約24兆円に、12月末には27兆円に増加している。すでに4月から継続して株式を購入していることになる。

 これは株式の売買動向からも同じような傾向が見て取れる。公的年金と思われる買いが、2014年4月以降、継続して行われており、累計で2兆8000億円程度の買い越しとなっている。公的年金は運用金額が巨額なので、自身の買いで株価をつり上げることが可能となる。また公的年金の買いには、追随する投資家が現れるので、2兆8000億円の投資で、残高を約6兆円押し上げたというのは、妥当なところだろう。

 より細かい区切りで見てみると、日経平均が急落した局面で公的年金が積極的に買っていることが分かる。2014年5月の株価下落局面では、公的年金が2カ月間で9000億円を投じており、結果として株価は上昇に転じた。同じく2014年10月の急落局面においても、1カ月で7000億円の公的年金とみられる買いがあった。その後も断続的に公的年金は買いを入れており、その結果、現在の株高につながっている。

 市場関係者の一部は、典型的な官製相場であり、近い将来、値崩れするリスクがあると指摘している。だが、GPIFには約4兆円ほどの購入枠があり、まだ株式を購入することができる。公的年金のスタンスが変わらなければ、当面、大きな下落はないかもしれない。

 ただ、こうした買いもいつかは枠がなくなり、終了する時がくる。その時までに、継続して日本株を買う投資家を確保することができなければ、その時の下落幅は非常に大きなものとなるだろう。個人投資家の裾野をどれだけ広げられるかがカギとなりそうだ。

 - 経済 ,

  関連記事

shirakawae
前原大臣が白川総裁とガチンコ対決。日銀はいつまで粘れるか?

 本日(5日)開催されている日銀の金融政策決定会合に、前原誠司経済財政相が出席し …

jutaku02
世帯収入が多いほど無理なくマイホームを購入しているという調査結果をどう見るか

 世帯収入が多いほど、無理のない範囲の金額でマイホームを購入している。そんなアン …

softbankpepason
四半期決算好調も株価が冴えないソフトバンク。重しはやはり米国事業

 ソフトバンクの米国事業が同社の株価の重しとなっている。足元の業績は好調だが、本 …

mof03
法人減税は安倍政権の本当の「顔」を知るリトマス試験紙

 法人税減税の焦点である課税ベース拡大に関する議論が本格化している。政府の税制調 …

alipay
中国のメジャー決済サービスが来年上陸。日本人向けにサービスを展開

 中国のネット通販大手「アリババ」が、決済サービス「アリペイ」を日本国内で展開す …

okane201407
最低賃金は16円引き上げで780円に。生活保護との逆転現象は解消

 最低賃金の引き上げについて議論していた厚生労働省の審議会は2014年7月29日 …

trumpabe01
日米首脳会談は無難に終了。貿易や為替に関する議論は今後の経済対話に持ち越し

 安倍首相は2017年2月10日、ワシントンのホワイトハウスでトランプ米大統領と …

no image
FRBがQE3実施を決定。バーナンキ議長が抱く真の野望が明らかに

 米連邦準備制度理事会(FRB)はとうとう量的緩和第3弾(QE3)に踏み切る。1 …

businessman02
2016年1~3月期GDPはプラス転換だが、うるう年効果が大きく実質ゼロ成長

 内閣府は2016年4月18日、2016年1~3月期のGDP(国内総生産)速報値 …

imf201601
IMFの世界経済見通し。中国のくしゃみでロシアとブラジルが高熱ダウン

 IMF(国際通貨基金)は2016年1月19日、世界経済見通しの改定値を発表した …