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実は橋下氏ただ1人が孤立していた?第3極の大同団結をめぐるゴタゴタ

 

 太陽の党を率いる石原慎太郎氏と日本維新の会代表の橋下徹大阪市長は16日午前、衆院選に向けたいわゆる第3極の連携について協議したが物別れに終わった。だが同日午後、状況が急展開し、維新に太陽が合流することでほぼ合意に達した。会談には両氏のほか、太陽の党の平沼赳夫共同代表や維新の会幹事長の松井一郎大阪府知事などが出席した。また太陽の党と合流する減税 日本の小林興起代表代行も待機していた。

 第3極の連携については、「大同団結すべき」と主張する石原氏に対して、政策面での一致と石原氏個人との連携を強く希望する橋下氏の間で折り合いがついていなかった。午前の協議が物別れに終わったのも、減税日本やみんなの党を含めた連合政党を作ることを呼びかけた石原氏に対して橋下氏が同意しなかったためと見られる。

 これは維新の会ブームにあやかりたい3党と政策面を強調する維新の対立構造に見えるが、見方を変えると別な側面も見えてくる。第3極グループの中で橋下氏1人だけが浮いているという構図である。

 石原氏は尖閣問題への主張に象徴されるように保守派の筆頭格である。海外では完全に「右翼政治家」と報道されている。
  しかも太陽の党の母体となった「たちあがれ日本」代表の平沼赳夫氏は平沼騏一郎元首相の養子である。平沼騏一郎氏は戦前の大物右翼政治家で、検察官時代は 民主主義を主張する活動家を片っ端から逮捕したことで有名な人物。終戦後はA級戦犯で終身刑を言い渡され獄中死している。本人たちの意向はともかく、客観的 に見れば太陽の党は極右政党なのだ。

 さらに、太陽の党に合流を表明している減税日本の河村たかし名古屋市長は、政策面よりも、尖閣問題や南京虐殺問題といったイデオロギー的な側面で石原氏と意気投合している側面が強い。
 石原氏はみんなの党についても取り込みつつあるが、みんなの党の代表で ある渡辺喜美氏は渡辺美智雄元副総理の息子であり、渡辺美智雄氏はかつて青嵐会(当時の自民党における右翼勢力の新興グループ)メンバーとして石原氏と共 に立ち上がった仲間のひとりだ。

 それだけではない。橋下氏が一喝してお蔵入りとなったが、維新の会の国会議員メンバーは、在日米軍全廃、国軍の設立、日本主導によるアジア通貨統合といった極右政党丸出しの公約案をブチ上げたことがある。体質的には実は太陽の党にかなり近い。

 橋下氏はこれまで政策面では明確な主張をしてきたが、イデオロギー的な側面はよくわかっていない。よく言われているように橋下氏が現実主義的な思考の持ち主だった場合、実は右翼思想の集団だった第3極の中で、橋下氏だけが孤立しているという奇妙な図式になる。

 もっとも橋下氏以外のメンバーは誰もが決め手に欠けており、橋下氏をはずす選択肢はあり得なかった。今回の合意でも政策面で太陽側が折れており、橋下氏が政策を貫き通した格好だ。
 ただ、今回の第3極をめぐるゴタゴタは、キーパーソンのように見えて、実は極右政党の中で唯一人浮いた存在となっていた橋下氏の立場を際立たせる結果となってしまった。下手をすると、第3極の中心となった維新の会において、ただ1人路線の異なる橋下氏がリーダーという、まさに裸の王様状態で選挙を迎えることになる。

 - 政治

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